【メンタル】知ってるつもりでよく知らない「ホルモン」のトリセツ③(セロトニン・オキシトシン・エストロゲン)

こんにちは、ちあき です。

ホルモンのトリセツシリーズ第3回ですね。

前回の【メンタル】知ってるつもりでよく知らない「ホルモン」のトリセツ②(グレリン・インクレチン・副腎ホルモン)の続きです。

今日は、満足感が持てるホルモン「セロトニン」、愛情のホルモン「オキシトシン」、心身がアクティブになる「エストロゲン」を紹介します。そして、ホルモンを役立てるために日常でできる事を解説していきます。

セロトニン…満足感が持てるホルモン

分泌される部位:腸・脳

働く場所:腸・脳

セロトニンは、心身を安定させ、現状に満足感を与えてくれるホルモンです。

体内にアミノ酸の一種であるトリプトファンという栄養素を取り入れることで合成される物質です。
トリプトファンが腸から取り込まれると、血液の中を循環し、腸や脳などにあるトリプトファン水酸化酵素という酵素をもった細胞によって合成されます。腸で分泌されたセロトニンは基本的に腸で働きますが、腸と脳はお互いに影響しあっているため(腸脳相関)、腸で働いているセロトニンの情報が脳にもフィードバックされると考えられています。
トリプトファンは、和食であれば、豆腐や納豆、味噌、醤油などの大豆製品、洋食であれば、チーズやヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。特に、バナナにはトリプトファンが多く含まれます。さらにセロトニンを生成するのに必要な炭水化物やビタミンB6もバランスよく含まれています。
ただし、そのほかにもあらゆる食材に含まれており、偏食しなければ摂取できるので、それほど意識をする必要はありません。
逆に、普段の食事以外にサプリなどでトリプトファンを過剰に摂取することにより、発熱や痙攣など副作用が出る可能性があるため、過剰摂取は危険です。
自然に、バランスよく、
トリプトファン + ビタミンB6 + 炭水化物
を摂取していれば、原材料は十分調達できています。
もうひとつ必要な原材料は、実は太陽の光。
朝はなるべく同じ時間に起床し、太陽の光を浴びることが重要です。

セロトニンは男性よりも女性のほうが分泌量は少ないということが確認されています。「女性のほうが情緒不安定になりやすい」という説はこのエビデンスから言われ始めたようです。(個人的にはこのエビデンスはあまり信用していません。何故なら私が妻より情緒不安定だからです。)

またセロトニンは「強迫性障害」と「うつ病」に共通して欠乏する神経伝達物質です。

☆日常生活でできる事

・早寝早起 決まった時間に起きる
・毎朝太陽の光を浴びる
・リズム運動(ジョギング ウォーキング ガムを噛む)
・グルーミング スキンシップ
・感動する(どんな小さなことでもOK)
自然にバランスよく、バナナ・大豆製品・乳製品などを摂取し、
トリプトファン + ビタミンB6 + 炭水化物 で食物原料をそろえる。

オキシトシン…安心や幸福を感じるホルモン

分泌される部位:下垂体

働く場所:子宮・乳腺・脳

人と会って共感したり話をしたり触れ合ったりする「社会的接触」は内因性オピオイド(中枢神経や末梢神経に存在するオピオイド受容体への結合を介してモルヒネに類似した作用を示す物質の総称)=いわゆる「脳内麻薬」を分泌させます。
内因性オピオイドは体内で作られ、生理的状況あるいは生体に危機が迫ったときにも放出される物質ですが、種類としては、エンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィン、エンドモルフィン等があります。
エンドルフィンは、ランナーズハイの状態で分泌される代表的な脳内麻薬として有名ですね。
ランナーズハイ(runner’s high)とは、人が長時間の走行中に経験する陶酔感や恍惚感です。
マラソンやジョギングを行うと通常、次第に苦しさが増してきますが、それを我慢し走り続けるとある時点から逆に快感・恍惚感が生じることがあります。この状態をランナーズハイと呼びます。
多くの検証実験から、この状態においては脳内にα波とモルヒネ同様の効果があるβ-エンドルフィンに満たされていることが判明しています。βエンドルフィンの増大が麻薬作用と同様の効果を人体にもたらすことで起こるとされていますが、運動中にβ-エンドルフィンがどう働くかのメカニズムは解明されていないのが現状です[1][2]
なので、マラソン好きの人のことは、健康的というよりエンドルフィン・ジャンキーだと思ってみていて、街をものすごいスピードで走る人を見かけると「おう!今日も脳内麻薬キメて元気にラリってんなー!!」って思ってなんかアル中としては勝手に親近感を持ってしまいます。

オキシトシンは、長期的なこの内因性オピオイド(エンドルフィンなど)の分泌を促し報酬効果を増強する作用があるといわれています。また、オキシトシンはストレスホルモン(コルチコステロイド)を抑制する作用もあります。

つまり、ずっと幸せに生きるための脳内麻薬の効きを良くしてくれてストレスを感じにくくしてくれる、安心と幸せのホルモンなのです。

詳しくは【メンタル】知ってるつもりでよく知らない「ホルモン」のトリセツ①(ホルモンと神経伝達物質の違い)の「例えば、オキシトシンってどんな働きをするの?」の段落をご覧ください。
☆日常生活でできる事
・人と社会的接触をもつことが大切です。
他者と強い絆を形成し、社会的接触を持つことは強力な報酬効果をもたらし、社会的親和関係構築へのさらなるモチベーションを生じさせることが考えられます。
アルコール依存症やその他の精神疾患の「自助グループ」で悩みを共有することは、脳内ホルモンの観点からも有効であると考えられます。
・また、人やペットなどと触れ合うスキンシップ『グルーミング』がおすすめです。グルーミングを行うと、オキシトシンが分泌されます。特に視線を合わせてくれるとさらに好影響が期待できるとされています。
(実は、オキシトシンは先ほどのセロトニンの分泌を誘発する働きがあるため、オキシトシンが増えるとセロトニンが増える。)

エストロゲン…心身がアクティブになるホルモン

分泌される部位:卵巣

働く場所:全身

女性ホルモンと呼ばれるものには、男性を追い求める”攻め”のエストロゲンと、妊娠出産を成立させようとする”守り”のプロゲステロンの2つがあります。

なかでもエストロゲンは肌の美しさや心身のアクティブさに関わり、艶のある女性はエストロゲンの分泌量が多いとされています。女性ホルモンはどんなに美しい人でも等しく加齢とともに減少する運命にあるので、減少スピードを緩めるアプローチが大切です。

☆日常生活でできる事

スキンケアやマッサージで日常的に皮膚を刺激することが重要です。

それが女性ホルモンの活性化につながります。エストロゲンの一部は皮膚や脂肪の細胞でも分泌されたり働いたりしているからです。そのため、女性ホルモンの分泌量は肌の美しさに比例するという恐ろしいデータが存在します。

今回でホルモン特集は終了ですが、いかがでしたか?

ホルモンとうまく付き合いながら「自分らしく」生きていきたいものです。

ではまた!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする