午前中。
会社の会議を聞き流し、畑仕事をしてきました。
いやー、畑楽しい。
サラリーマンより絶対こっちのほうがあってるな、と実感しております。
会議では驚きの発言がありました。
「社会の役に立ちたいのであれば、NPOや社会福祉法人で自己満足するのがよいのではないでしょうか」
というものでした。
私は製薬会社に勤めています。
製薬会社は、営利団体です。
たしかに株式会社であり、売上と利益を追求する組織でしょう。
しかし、医療用医薬品の売り上げというのは、保険で賄われています。
7~9割は、税金です。
ということは、ほぼ公務員と言っても差し支えない。
であるならば、公益のために働くのが当然でしょう。
しかしながら、中枢にいる幹部社員の頭からは、その認識がすっぽりと抜け落ちています。
本音は、社員が、社内のポジション争いに勝ちたいだけであり、昇進してもっとお金が欲しいだけ。
経営層は、役員報酬が欲しいだけ。そのためには株主総会で株主を納得させられる結果がないといけない。つまり、上司である株主には逆らえないのです。
つまり、全部自分のため。
社会のため、患者さんのため、というのは嘘です。
本当に考えているとしたら、開発した薬を無理に売ろうなどとは絶対にしない。
必要最低限、必要な人のところに届けばそれで十分だからです。
それ以上に売ろうというのは、単なるエゴでしかない。
それを正当化するためにいろいろと建前を並べます。
とても醜い。
冒頭にご紹介した発言も、とても理解できない感覚だなと思って聞いていました。
NPOや社会福祉法人が、自己満足?
何様のつもりなんでしょうか。
経済活動だけが正義だと思っているのでしょうか。
そんなことだから、とんちんかんな指示しか出せないのだろうな、と呆れて笑ってしまいました。
確かに社会は資本主義ですし、成果主義・合理主義が世の中を侵食して久しいので、そのように思い込んでしまう浅はかさもわからなくはありません。
でも、さすがに、いい大人が社会を知ったうえで言うことではないかなぁ。
「自己満足」と見下す非営利団体のひとたちのおかげで、社会はなんとか成り立っている部分があります。
国は全く頼りにならず、社会福祉は穴だらけです。
そういう愛をもった有志の存在が無ければ、とてももたない狂った社会であることを、この会社の人たちは知らないのです。
エリートの私たちには関係ない、とでも思いあがってしまったのでしょう。
哀れなことです。
そういう人間性を失った経済人が、この世には蔓延っています。
お金を稼ぐことだけが、絶対的な正義だと信じている。
自分たちの信仰を絶対だと思っている。
他の宗教と相容れない過激派組織。ナチスドイツみたいなもんですね。
「承認欲求を満たすために合法的な人殺しをしたいのであれば、営利団体の替えがきく歯車になり下がり、自己満足するのがよいのではないでしょうか」
と彼には返したいところです。