【依存症】禁煙したいひとへ①:タバコの実害を論理的に考えてみよう

こんにちは、 ちあき です。

私は何もタバコやアイコスを吸っている「人」が嫌いなわけではありません。

嗜好品の選択権は個々人にあると思ってます。

タバコやアイコスそのものが、個人的に嫌いなだけです。

ニコチン依存症になってしまったらたばこを手放せなくなるのは、脳医学的には仕方のないことで、その「人」そのものに罪はありません。依存性の物質である「ニコチン」こそが諸悪の根源です。

タバコをやめられない人に対して「意志が弱い人」とか「自堕落な人」とか「ヤニカス」などという評価をするのは、もはや前時代的といえるでしょう。

と偉そうなことを書いている私は、大学1年生から社会人8年目までの12年間、1日2箱~3箱を消費するチェーンスモーカーでした。

現在は卒煙して4年が経ち、タバコを欲しいとは全く思わなくなりました。

なぜタバコはやめたほうがいいのか?

タバコやアイコスを吸う人は、「いいじゃん、自分の勝手なんだから、誰にも迷惑かけてないし、税金払ってるんだから文句言われる筋合いはない!」と思うひともいるでしょう。

正直、やめるまえは私も思っていましたし、言ってました。(笑)

何より、他人に自分の行動を指図されるのが嫌なので、論理的に説明されればされるほど意地になって従おうとはしませんでした。

でも、うすうすは貴方も、「これなくていいなら、無いほうがいいよな」と思っていませんか?

ここでは、一度フラットかつ客観的に、タバコのデメリットについて整理してみましょう。

①臭いがくさいから

シンプルに、くさいです。

吸っている当時はわかりませんでしたが、止めてみてわかるこの悪臭。タバコを吸った直後は、コーヒーとの相乗効果で、吐く息はとんでもない毒ガスと化します。

営業職でもまだ喫煙する人はいて、会議のたびに喫煙所に行っては戻ってくるのですが、スーツも吐く息もくさいので、正直隣になりたくない、と思ってしまいます。

本人は気づいていないので、おそらく営業先でもそんな臭いを漂わせながら接客しているのか、と思うと、すこし顧客の心労がしのばれます。

②かかる経費が高いから

タバコは純粋に製品として高いと思います。

タバコでもアイコスでも1日1箱だとして、約500円/日。月間1.5万円=年間18万円。

アイコスの場合は、本体料金で約2万円の初期投資で、各部品の耐用年数が約1年なので、プラス2万円かかり、トータル年間20万円かかります。

耐用年数は、1日1箱の喫煙量で計算しています。チャージャーは約400回充電だから毎日充電すると1年1ヶ月で交換になりますし、ホルダーは約7,300回充電だから20本×365日=7,300で、ちょうど1年で交換になるという根拠に基づいています。

私が現在通っている専門学校の社会福祉士講座は約40万円。2年間の通学なので、年間20万円です。

つまり、タバコやアイコスを吸っている人は、ただタバコを嗜んでいるだけで、国家資格を取得できる専門学校の学費と同等の金額を毎年支出していることになります。

③人体に悪影響だから

こんなにお金がかかるタバコやアイコスが健康やメンタルに好影響だったら、年間18~20万円の投資も悪くはないのですが、残念ながら人体には悪影響しかありません。

ニコチンは体内に入ると様々な神経伝達物質を分泌促進させます。

一見いいように見えますが、「タバコによって」分泌促進されることが問題です。

タバコの刺激がなくては、なかなか分泌されないようになるからです。

だから、タバコがないと不安になったりイライラしたり集中できないような気がしたりする、という状況になります。

つまり、「タバコを吸うと集中力が高まる」のではなく、もともと何もなくても分泌できていたものが、タバコのせいで不自然に多量に分泌されることにより、タバコがないと通常の刺激では分泌されにくくなるので、「タバコを吸ってやっと標準レベルに戻れる」体になってしまっただけなのです。

ゆえに、タバコを吸うとストレスが解消されるのではありません。

タバコを吸っているからストレスが生じていて、タバコ由来のストレスなのを忘れて、あたかも全てのストレスがタバコを吸うと解消できていると勘違いしているだけです。

タバコが解消できるストレスは、タバコが吸えないストレスだけです。

また、メンタル面だけでなく、フィジカル面でもタバコの影響にいいものはありません。

血管を収縮させるため、血圧をあげます。末梢血管が収縮して皮膚の温度を下げます。ですので、高血圧や冷え性の原因になります。

高血圧は、3大生活習慣病のひとつで、慢性的に高血圧の状態が続くと、そうでない場合に比べて狭心症や脳卒中で死亡するリスクが高くなります。

タバコに含まれるタールは、肺に付着して肺胞を汚染します。

赤血球は通常、ヘモグロビンというたんぱく質と結合させて酸素を運ぶ役割をしています。しかし、一酸化炭素を摂取すると、一酸化炭素がヘモグロビンの中の多数のヘムのひとつに結合するとヘモグロビンの立体構造が変化して、酸素親和性が以上に強くなり、酸素を放出しにくくなるため、極度の酸素欠乏を引き起こす中毒症状となります。タバコを吸っていて長距離走をすると息切れをしやすいのはこのためです。

妊婦・子供に対する悪影響は、成人よりも高リスクです。

旦那さんが吸うたばこの副流煙はより有害で、妊婦さんが吸っていなくても、旦那さんの副流煙で間接的に喫煙状態になれば、血管が収縮して胎盤や臍の緒に十分な血液がいかなくなれば、胎児である赤ちゃんに十分に栄養と酸素が送られず、苦しい思いをさせています。

胎児がニコチン中毒になる可能性があります。

流産の確率が2倍・早産の確率が1.5倍になります。

子供が無事生まれても、発育遅延リスクが2倍、肺がんになるリスクが2倍、呼吸器系の病気になるリスクが2倍、乳幼児突然死症候群になるリスクが10倍になります。知能指数が低くなるというデータもあります。

奥さんが妊娠したのにタバコを吸っていて、何か言われたら「何をそんな神経質な」と笑っている人をよく見かけます。知識がないことは恐ろしいことだな、と思います。

④仕事に影響するから

喫煙者は、得意先から嫌われるリスクが高いことは明らかです。なぜなら、顧客がタバコを嫌いなケースがあるからです。どのような顧客にも好意的に対応できるよう努力するべき営業職などはもってのほかだと思います。星野リゾートなどホスピタリティの高い企業は喫煙者を採用しません。製薬会社でも、世界でTOP企業の一つ、ファイザー社は、禁煙補助医薬品を扱っている関係で社員は全員禁煙です。

また、営業職でなかったとしても、労働者として能力が低くなる可能性があります。仕事をさぼる時間が増加が増加するからです。

タバコに含まれるニコチンの血中濃度は、吸った瞬間に一気に上昇し、30分後には血中半減期(つまり半分になる)を迎え、1時間後には1/4になり、ニコチンに対する飢餓感が高まります。

喫煙者がだいたい1時間ぐらいでイライラしだすのはこのためです。

1時間に1回タバコを吸いに行っていたとすると、8時間勤務として8回。1回10分として80分。年間300日勤務だったとして、24,000分=400時間。

タバコを吸っていなかったら400時間自由に使える労働可能時間があると考えると、同じ能力でも喫煙者と非喫煙者をどう評価するかは明白です。実際、大阪府職員が2年で440回タバコ休憩で150m離れた別の建物に日参していたことがバレて処分を受け、依願退職しています。

参考:アイコスは特別ではなく少しマシな代用品

「アイコスとタバコは違う」「アイコスだからくさくないし他の人の健康に配慮している」と言うひとがいますが、それはあまり正しくありません。

科学的に解明できていないだけ、エアロゾルの有毒性について軽視するのは極めて危険です。

日本呼吸器学会において、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコについても同様に健康被害の懸念を示す発表がなされています。

1.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。

2.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。

有害物質や副流煙についても、決して安心というわけではありません。

新型タバコは周囲の人々への受動喫煙の危険が指摘されています。「煙が出ない、あるいは煙が見えにくい」とされていますが、特殊なレーザー光を非燃焼・加熱式タバコ使用者の呼気に照射すると、大量のエアロゾルを呼出していることが明白になります。燃焼式タバコ 使用者の呼出煙(“見える煙”)と同様に、大量の“見えにくいエアロゾル”を呼出しています。

世界保健機構では、「電子タバコのエアロゾルにさらされると、健康に悪影響がもたらされる可能性がある」と指摘しています。

世界保健機構がレビューした複数の研究では、電子タバコ使用者の呼出煙中のニッケルやクロムなどの重金属濃度は、燃焼式タバコの呼出煙よりも高い、PM2.5、ニコチン、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒドなどの濃度は燃焼式タバコの呼出煙中より低いが、通常の大気中濃度の 14 – 40 倍(PM2.5)、10 – 115 倍(ニコチン)、2 – 8 倍(アセトアルデヒド)、20%高い(フォルムアルデヒド)、とされています。

燃焼式タバコの受動喫煙による健康リスクに対しては明確な科学的根拠がありますが、新型タバコの受動喫煙による健康リスクについて科学的証拠を得るにはかなりの時間を要します。有意な健康リスクではないとの主張もありますが、根拠はありません。

しかし、“見えにくいエアロゾ ル”中には通常の大気中濃度を上回る有害物質があるわけですから、「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的である」、と世界保健機構は述べています。特に、呼吸器疾患を持つ患者さん、冠動脈疾患をもつ患者さん、などにとっては有害な影響がでることが懸念されます。また、何よりも、このような有害物質を含む呼出煙を吸わされることを望む方はいないでしょう。 新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品です。従って、使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できません。

タバコやアイコスを吸ってもいいことはない

いかがでしたか?

私は吸っていた当時、耳が痛い話を聞かされても「そんなの俺の勝手だろ!」と思っていました。

でも、よくよく冷静に考えてみると、それってこれらのデメリットに対する根拠にひとつも反論できてないですよね。

その深層心理にあるのは、「依存している」という事実を認めたくない気持ちです。

だから、真の理由である依存とは別の理由を話さざるを得ず、その理由は論理的かつ学術的に考えれば全く合理的ではない内容になってしまいます。

そして、賢い皆さんはじつは言いながら、もうそのことには気づいているのはありませんか?

ニコチンに脳みそを乗っ取られるなんて、馬鹿らしいと思いませんか?

賢い皆さんなら、必ずやめられます。

こんなアホな私でも、アルコール依存症で4回も再飲酒する私でも、止められたんですから。

たばこ税は年間約2兆2000億円ですが、毎年11万人以上の死者を出し、医療費支出増は約5兆円、家事や清掃等の諸経費で約1兆円かかってます。ですので、実質4兆円の赤字です。

よって、「税金払ってるんだから」は通用しません。

タバコをやめたほうがこの国の財政上明らかに有益です。

次回は、なぜ私はタバコをやめようと思ったのか、どうやってやめたのか、についてお話ししたいと思います。

では、また!

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