酒豪の皆様、こんにちは。お酒って飲んでるときは楽しい気分になりますよね。
「飲まなきゃやってらんねーよ」めっちゃ気持ちよく分かります。
酒飲みとアルコール依存症の違いについて考えるチェックリストです。
ちょっと興味ありませんか?
いきなりですが、質問です。
基礎チェック:過去に次の経験がありましたか?
1、飲酒量を減らさなければならないと感じたこと □ある □ない
2、他人があなたの飲酒を非難するので、気に障ったこと □ある □ない
3、自分の飲酒について、悪いとか申し訳ないと感じたこと □ある □ない
4、神経を落ち着かせたり二日酔いを治すために「迎え酒」をしたこと
□ある □ない
出典:CAGE(ケージ)質問票(Ewing JA:北村俊則訳)
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※2つ以上当てはまる方は、特に次の精密チェックをやってみてください。
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精密チェック:過去一年間に次のことがありましたか?
1、飲酒したいという強い欲望や強迫感(抑えられない感じ)がある。
例:医師からの断酒・節酒の指示が守れない。
飲酒運転を繰り返す。隠れてでも飲みたくなる。
仕事が終われば待ちきれないように飲む。
□ある □ない
2、飲酒の開始、終了、量のいずれかのコントロールが困難である。
例:朝から飲んでしまう。
翌日に支障が出るほど遅くまで飲む。
悪酔いや臓器障害を起こすまで飲む。 □ある □ない
3、飲酒を止めたり、減らすと離脱症状が生じる。
例:手指の震え、発汗、不眠、吐き気、イライラ等の離脱症状があり、
その不快さを避けようとして飲酒する。
□ある □ない
4、耐性が生じる。(酒量が以前より多くないと酔えなくなった)
例:飲み始めたころの1.5倍以上飲まないと最初の頃と同程度の酔いが得られない。
□ある □ない
5、飲酒のために、他の楽しみや趣味が減ってきた。
例:飲んで酔っている時間が長く、飲酒中心の生活になっている。
□ある □ない
6、明らかに飲酒が原因で有害な結果が起きているのを知りつつ飲む。
例:飲酒による肝障害等の身体の病気
一定期間の多量飲酒によって生じた落ち込んだ気分状態
周囲の人(家族・友人など)との関係が悪化した等
□ある □ない
出典:WHOによる「ICD-10」の診断基準より
いかがだったでしょうか?
精密チェックで3つ以上当てはまった方は、要注意です。
基礎・精密ともに1つぐらいしかなかった、という人も、飲み方の変更が必要かもしれません。
そんな皆さんは、今後お酒と上手に付き合っていくためにも、少し最後まで読んでみることをお勧めします。
「酒は百薬の長」と思っていませんか?
お酒は少量なら、「動脈硬化を抑制する作用」「2型糖尿病の血糖値の低下」「骨密度の増加」などの可能性があります。
しかし、これらは他に有効な予防・治療法があり、これらの薬理効果があることを理由に飲酒を推奨することは医学的にはできません。
WHOによれば、上記の図のように発がん性など多くの害をもたらします。
実は、あまり知られていませんが、アルコールに関連して生じる病気や病変は非常に多いのです。
このことを考えると、「百薬の長」とは決して言えませんよね。
「酒は百薬の長」とは、2000年も前の中国の為政者が税収確保のために考案したと言われている言葉で、医学的根拠に基づいたものではありません。
アルコールは「脳の変化」を生じます。
多くの人は、日ごろの嫌な気分(抑うつなど)や欲求不満や不安や緊張を取り払うために、付き合いのために、喜びをもっと大きくするために、あるいは単なる習慣として、お酒を飲んでいます。
しかし、アルコールは薬物なので、次のようなことが生じます。
1、急性の脳の変化 ―酩酊と離脱―
①「酩酊」は、脳の働きが弱まった状態
少量なら、これらの脳の働きへの影響は小さく、内気な人が感情を伝えたり、緊張や不安を取り、ストレス緩和や人間関係作りに役立ちます。
しかし、多量になると、感情のコントロールがひどく弱まり「怒り上戸」となって人間関係を傷つけたり、「泣き上戸」となって落ち込みから自暴自棄・自殺の恐れが生じます。
また、緊張・不安がなくなって無防備となり、危険な目にあったりします。
②睡眠のリズムに悪影響
寝酒は、寝つきはよくなっても、途中で目覚めること(中途覚醒)が多くなり、深い眠りは得られません。
うつ病の人が寝酒すると、睡眠障害をさらに悪化させます。
睡眠薬よりも、アルコールは依存しやすい薬物です。
③酩酊から醒めたとき
飲んだ翌日の二日酔い状態は、心も体も調子が悪く、うつ気分になりやすい状態です。
アルコール依存症では、酒が切れてくると、離脱症状の不快さが生じるのでそれを回避するために飲むようになります。
離脱症状:手指の震え、発汗、不眠、吐き気、嘔吐、食欲不振、イライラ、怒りっぽい、頻脈、動悸など
2、慢性の脳の変化 ―長期・多量の飲酒はアルコール依存症と脳委縮を生じる―
①アルコール依存症の出現 ―ちょっとした刺激で飲みたくなる―
飲み続けていると、飲酒を思い出させる情景(赤ちょうちん・ビアガーデン・夏の海など)や気分(仕事終わりの解放感・嫌なことがあった日・良いことがあった日・旧友に再会した喜びなど)にすぐ反応して、酔いの快感を生じる脳の中枢(報酬系)が過剰に興奮し、普通以上に飲酒欲求が亢進するようになります。
アルコール依存症についての画像研究はこのような事実を明らかにしています。
お酒を飲み続けているのは、「意志が弱い」せいではないのです。
②脳委縮の出現 ―アルコールは神経細胞数の増加も神経細胞の発達も抑える―
日本酒2合以上の飲酒は、脳委縮を10年早めます。
万能細胞から発達した神経幹細胞を使った実験において、アルコール量を加えた培養液では、ほろ酔い程度の量であっても、神経細胞の数が減り、成長も悪く、神経細胞同士が神経突起で繋がり合うことも減ることが分かっています。
③体や家庭が壊れるまで飲んでしまう
上記の脳の変化により、リスクのある飲み方の修正が困難となります。
飲酒には「危険」が伴います。
①家族関係、家族の心を壊す
…飲酒欲求の亢進の結果、酒中心の生活になり、家族と溝が生じます。
②子供にストレスを与え、トラウマを生じる
…トラウマは、成長後も子供の生き方に影響を与え続けます。
③仕事上の能率の低下・事故・職場を失う恐れがある
…アルコールによる体調不良は、突然の欠勤・病欠・能率低下・ミス・事故につながります。職場の健康診断で、アルコール関連の異常が指摘されます(血液検査の数値異常など)。
④飲酒運転・事故を起こしやすい
…急性・慢性のアルコールの影響による脳の判断能力の低下が違反・事故を引き起こします。
⑤外傷(ケガ)を繰り返す
…酔って、転倒・転落などでケガをしたり、命を落とします。
⑥自暴自棄・自殺願望を強める
…長期多量の飲酒は、気分障害(うつ病)を発症・悪化させます。それゆえ、うつ気分を癒すのに、酒を利用するのは危険です。
⑦妊娠中の飲酒は胎児障害の恐れが生じる
…妊娠中やその可能性のある時は、完全飲酒が推奨されています。
「危険」を知らせる心身の兆候
ここまで読んで、ちょっとでも心当たりがあるひと。当人ではないけど、大切なひと(パートナーや妻や夫や子供など)の飲酒に心当たりがあるな、というひとがいるかもしれません。
☆心身の兆候7つのチェックリスト☆
□血液検査(γGTP・MCV・ALT・AST・尿酸値・中性脂肪・血糖値の上昇)の異常がある
□顔の傷跡、酩酊時の外傷(ケガ)の経験がある
□軟便、下痢をする
□飲むと抑うつ気分がひどくなる
□飲酒運転をする(二日酔いでの運転は飲酒運転です…)
□離脱症状がある
□救急・時間外の受診経験がある
気になる人は、この漫画を読んでみましょう。
ここにあなたが知りたかった、すべてのことが書いてあります。しかもおもしろい!
「自分は違うかなー」って思ったひとも、これから安心して飲み続けるために、一度読んでおいて損はないですよ☆
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