【AC】「恨み」の棚卸し①

恨みが、あなたにとって問題であるような状況を調べなさい。そのような状況を記載するとき、次の質問に答えなさい。

1、あなたは何を、誰を恨んでいますか?
2、あなたに恨みを感じさせるものは何ですか?
3、この恨みはあなたの考え方、感じ方、行動の仕方にどのような影響を与えましたか?
4、どんな性格特質が目立っていますか?

引用:『ACのための12のステップ』 より

失礼なメールを送ってきた人のエピソード

1,あなたは何を、誰を恨んでいますか?

私は、とある研修の運営主体であり責任者のAさんを恨んでいました。

2,あなたに恨みを感じさせるものは何ですか?

研修を受けた後、私が質問を送ったメールの返信で、私の意図と理解の範囲をよく把握しないうちに「ボタンを押しただけで答えが出てくるわけではありませんよ」などと上から目線の返事をしてきたことに、強い怒りを感じ、恨みを持ってきました。「馬鹿にしやがって」と思ったし、その人を物事をよく理解していると信頼して頼ったことを後悔しました。思ったような素晴らしい人物ではなかったことに落胆し、そんな人だと信じてしまった自分の浅はかさを憎みました。

研修中の状況も思い返せば、聞くに値しない質問をする迷惑な参加者のように扱われていたと認識して、とても哀しい気持ちになりました。

時間管理で精いっぱいで私たち参加者の疑問や質問より、スケジュール通りに研修をこなすことを最重要視しているところが垣間見え、研修の完成度の低さに落胆しました。

3,この恨みはあなたの考え方、感じ方、行動の仕方にどのような影響を与えましたか?

私は、そのことがあってから、私のなかでこの団体の評価を下げました。心のなかで、取るに足らない、大したことのできない未熟な集団と位置づけました。馬鹿にされた分バカにしてやろうと思いました。

4,どんな性格特質が目立っていますか?

特性は以下の3つが複合してます。

「権威のある人たちを恐れること」

「承認を求めようとすること」

「低い自己評価」

「コントロール」

私は研修を受けた当時、その団体に大変権威があると思い込んでいました。

私がその団体に軽んじられることや存在価値を認められることを、不自然に重く取り扱っていました。存在価値を認めてもらえないことを恐れていたし、拒絶や批判を恐れていました。

それは、ひとえに私の自己評価の低さが問題でした。

彼らは彼らなりに準備したものを提供し、彼らの経験の範囲のなかで回答したにすぎません。それがたとえ今回のように思ったより質が低いものだったとしても、それは私の見る目が無いわけでもないし、彼らに落胆する必要はなかったということです。

そして、彼らにとって、私がメールのなかで提案した改善策は、受け取って気持ちのいいものではありませんでした。

なぜなら、運営に関するアドバイスをするなど、彼らにとって一参加者として参加しただけの私にされるべきものではない、という認識だったから。

私がより良くなるのに、と思ってかけた言葉は過干渉であり、共依存的な行いでした。私の評価が上がること、すなわち存在価値が上がることを期待して行動していたからです。つまり厳密にいえば彼らの為ではなかった。だから彼らにとっては不快なアプローチとしてぞんざいに扱われてもおかしくない内容でした。冷静に後から考えればそうです。

つまり、私は彼らに必要以上に構うべきではなかった。

そんなことをしなくても私には価値があるし、彼らは彼らのやりたいようにやればいいのだから。

彼らから自発的にアドバイスを求められたらすればいいし、特に求められていないなら心のなかで「ショボいな」って思っとけばいい、ただそれだけのことだったのです。

私がどの程度理解していて、どういう意図で質問していたのかも、私とその人は1回あっただけですから、分かるわけがない。

今まで接してきたアディクトたちの知能レベルと反応のケーススタディの累積から推察するしかない。そしてその結果はじき出されたのが「ボタンを押せば回答が出てくるわけじゃない」というなめた答えだったということです。

つまり、彼らが接してきた人々の集大成というか想像上の平均的なキャラクターがおそらく「ボタンを押せば回答が出てくる」と思っている思考停止型のアイデンティティを持っている、ということがはっきりしただけで、私がばかにされたわけではなかった、ということです。

彼らが接してきた人たちが統計的に思考停止型の人間が多かったので、経験上そういう思い込みが発生しただけで、それは彼らの問題でした。

つまり、彼らの反応がどうであっても、私の価値は少しも変わらない、ということです。

まとめ:すなわち私はその人を恨む必要がない

ここまで見直してみると、私の課題とその人の課題が複合していることが分かります。

そして、私の課題に私は取り組むことができるけど、その人の課題はその人にしか解決できない、ということで、持つべき課題意識が明確になります。

私は自分のAC的な認知の歪みを修正することができる。それしかできない。

つまり、以下のように振舞いを変えることで、私は彼らを恨まなくていいということが分かります。

「権威のある人たちを恐れること」→権威があるという思い込みを捨てる。そうすると、その人たちを恐れなくて済む。

「承認を求めようとすること」→その組織に承認される必要などなく私は私であるだけで価値があるし、それは他者評価によって左右されるものではないことはないと知る。

「低い自己評価」→自分の能力を現実的に認める。両親や権威ある人たちとの関係で培ってきた誤った自己イメージ(自分を無能のように思い、他人のほうが正しいと思う)を捨てて、他人の行動と切り離して考える。

「コントロール」→彼らが主催するイベントなのだから、それが結果的に不満足な内容であっても私の責任ではないので、彼らの運営と自意識に任せて必要以上に関与しない。

私は私の問題に真剣に取り組む以外にできることはない。

なので、彼らの認識の誤りを正す必要もないし、ショボいイベントをより良くする責任もない。

だから、私はそのメールで彼らを恨む必要は、最初からなかった、ということです。

参考:恨みの課題演習の過去の取り組みは以下のリンクから見られます。

【AC】12step-step4に基づくわたしの棚卸し記録①(恨みについての課題演習)

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