12ステップ・プログラムのStep4を終えた人が、Step5を実践するうえで必要な注意事項について、個人的にまとめてみました。
今まで、私は「12step-step4に基づくわたしの棚卸し記録」というタイトルで、ブログに赤裸々にStep4の内容を開示してきました。
共感していただけたり、気づきがあります、とコメントをくださったりして、私のフォローワーさんは優しい人が多く、幸いにもあまりグッサリ傷つくようなことはありませんでしたが、これは極めて危険な打ち明け方だった、と言えるでしょう。
まさに、交戦中真っ只中の戦場に、丸腰で白旗を振りながら、籠城していた城からひょっこり出てくるような行為でした。こわ。
Step5はお察しの通り、「Step4を他の人に実際に話すあるいは書きだしたことを見てもらう」ということなのですが、そのときには注意しなくてはならないことがあります。
注意点その①:「Step5を聴いてくれる人を注意深く選びなさい」
Step5を聴いてくれる人を注意深く選びなさい ―― 12ステップ・プログラムを良く知っている人を。その人は次のような人であるかもしれません。
■信頼できる宗教の資格を持っている宗教家。いろいろな宗派の聖職者は、しばしばこのような要求に応えてくれます。(教会の牧師など)
■信頼できる友人(同性の人が望ましい)、医師または心理療法家。
■あなたが心を開いて分かち合える家族。配偶者や他の家族を傷つける恐れのある情報は明らかにしないように気をつけなさい。
■12ステップ・プログラムのメンバー。あなたがすでにグループに参加しているなら、信頼はすでにあるでしょうし、Step5をグループの一人のメンバーとともに行うことで、その信頼が深まることを発見するでしょう。ある場合には、グループ全体が聞き手となってもいいものです。
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お求めの際には、ここの名前は出さないようお願いいたします。
つまり、あなたが信頼している、あるいは12ステップ・プログラムについて理解のある「言いっぱなし聞きっぱなしができる人」ということです。
なぜなら、そうでない場合、あなたが勇気を出して話したことに対して、カウンセリングやアドバイスをしたがる人は、あなたの心の安全を脅かす可能性が高いからです。
なので、Twitterやブログに簡単にアップするなど、もはや死亡フラグです。
クソバイス(クソみたいなアドバイス)やクソリプに赤裸々に打ち明けた正直な心を踏み荒らされ踏みにじられ、二度と他人に心を開いたりするもんか、とATフィールドMAXになる可能性が高いので、絶対にやめましょう。
そのような背景から、聴き手にも、次のような注意事項があります。
■聴き手として寛容であり、受け入れるようにすること。あなたは、あなたのハイヤー・パワー(回復する力)の代理人として、無条件に受け入れるということはどういうことかを伝えているのです。
■聴き手としてあなたがそこにいるのは、話し手が考えたことを明瞭に表現する手助けするためなのです。情報が二人ともに明瞭に理解できるように、必要な時には質問しなさい。
■秘密保持を遵守すること。あなたが分かち合ったことは個人的なことです。信頼を裏切ることほど正直さを貶め、人間関係に害を与えるものはありません。
■Step5がやり通されたときに、その経験について、両者とも自分の感情を分かち合うこともできます。ハイヤー・パワー(回復する力)がわたしたち一人ひとりに向けられている愛を相互に向けあうことが今や可能です。
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お互いにやり通した間柄であれば、「やり通したという経験」について感情を分かち合うことができます。
しかし、内容について明瞭に理解するために質問をするのはOKですが、聴き手の主観をもとにして打ち明けられた内容について議論したりアドバイスをしたりしてはいけない、ということですね。
○無我の状態で、ただただ打ち明けられるStep4の内容を聴き、内容を理解することに集中する。
○そしてどんな話であっても、一度それを受け容れ、ハイヤー・パワー(回復する力)の代役を務める。
聴き手としては、このことを常に忘れないでいたいものです。
注意点②:「謙虚に正直に、勇気をもって、ありのままを話し分かち合うことだけに集中しなさい」
■考えたことの一つ一つを、最後までやり通すのに充分な時間を割きなさい。その題材に集中してそこにしばらく留まりなさい。余計な説明はしないように。
■Step5は、わたしたちが自分の欠点の正確な本質を認めることだけを要求しているのです。このことを心に留めておきなさい。その欠点がどこから来たのかとか、どう変えていったらいいのか、といったことを議論する必要はありません。あなたはカウンセリングや助言を求めているのではないのです。
■他の一人の人にしたいして自分自身を明らかにすることは、控えめに言っても、相当程度の謙虚さを必要とするものです。私たちは今まさに、自分の、自分を滅ぼすような、害のある、人を傷つけるような性格特質を、あからさまにしようとしているのです。私たちは自分の、肯定的な、役に立つような特質も明らかにするでしょう。わたしたちはこのことを、わたしたちが世界に対して着けている『舞台用の仮面』を取り除くためにやらなければならないのです。このことは、表面を取り繕って後ろに隠れようとする、私たちの必要・欲求を取り除くための大胆な一歩です。
■「恨みと恐れについての課題演習」について分かち合うことから始めて、あなたが書きだした性格特質を分析することによって進んでいきなさい。
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今回Step4を書きだすにあたり、最も重要だと思ったことは、謙虚であるということと、正直であるということです。
よく考えてみれば、Step4で振り返ってきた性格特質は、私たちが今まで全力で『見て見ぬふり』をしてきたことばかりです。
それを認め、見える形にしてまとめる、ということだけでも相当なエネルギーを要します。
言い訳をしたくなります。背景を説明しようとしたりして余計なことを言いたくなります。「私は悪くない」と自己弁護したくなります。必要以上に自分を卑下して書きそうになります。
そういう気持ちを脇に置いて、ただひたすら正直に・謙虚に、私の性格特質はどうであるのか、それによりどんなことがあったのか、それにより誰を傷つけたのか、当時どう思っていたのか、なぜそう思ったのか、どうしてほしかったのか、それはなぜなのか、など、書きだしていくのです。
今まで見たくなかったものが噴出してくるにつれ、書きだすのがつらくなることもあるでしょう。私は、こんな醜いものが私の正体なのか、と絶望感を感じたことすらあります。
しかし、書きだしてそれらをじっくりと眺め、間違いや認知の歪みを認められたとき、心に薫風が吹き抜けたように、爽やかな気持ちになります。
長いこと背負ってきた重荷をようやく卸せたような、そんな気がするでしょう。
だから、勇気をもって、実際にやってみてほしいなと思います。
まとめ:自分の問題を打ち明けることにチャレンジする人に敬意を払おう
「絶対に他人に知られたくなかった胸の内を他の人に打ち明ける」ということは、想像を絶する勇気が要ります。
そうして打ち明けた話を、否定されたり、もっとこうすればいいとアドバイスされたり、こういう点が問題だったと講評されたりして、そのままを受け容れてもらえなかったとしたら、どれほど傷つくでしょうか。
想像してみてください。
例えば、素顔を晒したことのない人に、勇気を出して初めてすっぴんで会ってみたとき。
「あー、すっぴんはかわいくないんだね」
「もっといい化粧水使ったほうがいいんじゃない?」
「目と鼻が残念かな、くちびるは合格だけど」
などと、無残なことを言われたときの気持ちを。
もう一生化粧はとらない、むしろ外出したくない、他人に会いたくない、と思いますよね。
このように、ただ言いっぱなし聞きっぱなしで棚卸しを聴くことができない、ということは、勇気を出してStep4を打ち明けた人のアイデンティティそのものを侮辱するようなものなのです。
せっかく、「わたしたちが世界に対して着けている『舞台用の仮面』を取り除くため」に勇気を出し、「表面を取り繕って後ろに隠れようとする、私たちの必要・欲求を取り除くための大胆な一歩」を踏み出そうとしている人の足をひっかけ、二度と仮面を取り除けなくさせる行為です。
Step5はそれほどセンシティブなセッションだ、ということを、話し手も聴き手も理解しておかないといけません。