結論を先に書いてしまうと、よかったんだけど高すぎるという話。
カンナビジオール(CBD)とは?
大麻に含まれる成分の一つ。大麻には主にCBDとTHCが含まれている。
いわゆるハイになる成分はTHCのほう。
CBDはエンドカンナビノイドシステム(ECS)という身体調節機能に働きかける。体内でCB1受容体・CB2受容体に作用する。神経系において、CB1受容体は主に脳・中枢神経、CB2受容体は末梢神経に主に分布している。
CBDを体外から摂取することにより、CB1受容体が活性化して、記憶・認知・感情・睡眠・食欲・痛覚などに影響を与える。CB2受容体が活性化すると炎症を抑える方向に働く。
CB1受容体が活性化されると、以下のようにモノアミンが動く。
まず直接アセチルコリンを抑制して記憶機能を低下させる。次にグルタミン酸を放出促進することで意欲や食欲を増加させる。そして、GABAの放出を促進する。
これにより、ドパミン・ノルアドレナリン・アセチルコリン・ヒスタミン等のモノアミンを放抑制し鎮静に働く。それにより落ち着いていられて、興奮したり不安になったりしなくなる。
痛みに関しては、中脳と扁桃体に作用することで鎮痛効果を示すと確認されている。下行性疼痛抑制系にノルアドレナリンのシグナル伝達抑制を起こさせることによるものだと思う。申し訳ない、ちょっとはっきりわからなかった。CB2受容体の炎症抑制が関係している可能性も高い。
そんなわけで、炎症性疾患、疼痛管理、不安・抑うつ・PTSDなどの症状緩和、などを目的として海外では役立てられている、比較的安全性が高い物質。
それがCBDである。
実際に使ってみた
CBDオイルと、加熱式タバコタイプのCBDを購入して試してみた。
CBDオイル
CBDオイルは、MCTオイル(中鎖脂肪酸)にCBDが溶かしてある製品。
ダイエットであまり脂質を摂りたくない私にとって摂取をためらわせる製品特性である。
なんとなくあまり効果を感じなかった。
ひとビンで約8,000円する。1ヶ月もつとして、270円/日。
結構、コストがかかる。
加熱式タバコタイプのCBD
次に加熱式タバコタイプのCBDを試してみた。
これは、とても鎮静を実感した。
以下に示すのは、海外でのCBDの1日摂取量の推奨用量である。
最も推奨している人の割合が多かったのは、16〜30 mg/日だった。しかしこれは対象疾患により大きく異なる。
このデータによれば、一般的には加熱式タバコタイプのCBD製品の場合、一1〜2本/日らしい。
私の場合は、他人といる不快感、いわゆる社交不安が常に隣にあるのが当たり前の日常だったので、CBDを摂取して鎮静し落ち着いて、他人がいても特にイライラしないで落ち着いてリラックスして過ごせる状態を維持するには、100mg/日必要だった。
1本10mgのCBD配合の製品で、私が満足する量は1日10本、つまり100mg。
これ、1本378円。
つまり一般的には約400〜800円/日のコスト感。
私の場合は、約4,000円/日。高すぎる。無理。
結論;効果は期待できるが高すぎるから、もういいや
鎮静によるリラックス効果は申し分ない。
今までリラックスというのがよくわからんかったけど、これがリラックスしているときの気持ちなんだなぁと思った。
ぼーっとするという感覚。常に頭が何かを考えたり何かを話している状態のASD・ADHD合併の私にとって、とても新鮮な感覚だった。
これで体内の炎症も抑えてくれるのだから、可能なら是非継続的に投与したいところだ。
しかしながら、高すぎる。
もはや1日4,000円も必要なら無理である。諦めざるを得ない。
結局私が求めているのは、慢性的な社交不安・ストレスに対処することだ。
具体的には、ドパミンとノルアドレナリンの過剰分泌による交感神経系の過興奮を鎮静すること。
そう考えると、D2受容体のパーシャルアゴニストである、エビリファイやレキサルティでシグナル伝達を安定化させる方がクリティカルだし、セロトニン濃度を上昇させつつ一部パーシャルアゴニスト的な作用を示すS-RIMという新しい薬効群であるトリンテリックスの方がまだ有効な気がする。
加えて、モノアミンに直接作用しないで扁桃体〜青斑核のノルアドレナリンを抑制することができると考えられるADHD治療薬のインチュニブを組み合わせることで、パニック・社交不安の症状とストレスを軽減できるはずである。
これらを全て合わせても、保険診療で精神科の先生に処方してもらうならば、1日4,000円はいかない。
1日薬価で1,400円程度なので、3割負担でも約400円。1/10である。絶対こっちの方がコスパがいい。
私の場合は自立支援医療制度を受けているので、1割負担だから、140円/日である。断然こっち。
もしもCBDが医療用医薬品として保険収載されたら、投与を再度検討するだろうけど。
費用対効果を考えると今のところ、もういいかな。
あとは、ドパミンやアセチルコリンを分泌抑制するからか、SSRIを飲んだときのようなアパシー・アンへドニア(無気力、ポジティブ感情の低下、意欲の減退、報酬に対する感受性の低下、喜びの喪失)のような脱力感がある。
意欲のもとになるグルタミン酸は分泌増加しているはずなのに、おかしい。
筋トレや読書など、何かをしようとは思えない。
有意義な何か、と思うと全然意欲がないが、食欲や睡眠欲など、生き物としての根源的な行動については欲求が高まる。なので、よく食べよく寝ることはできる。
嫌なことをしているときに吸っていると、嫌悪感を麻痺させてくれるので作業そのものは終わりやすい。しかし吸いながらやっていると何をやったかはいまいち記憶していないから、勉強には向かない。
最終的には記憶に残さなくてもいいどうでもよくて面倒なタスク処理のときに吸っていた。仕事中はこれが一番の活用方法だった。
とにかく、心が瀬戸内海の水面のように穏やかで波が無い感じ。
喜びもないが悲しみもない。ただ生きている。そんな感じ。
以上の感覚から、モノアミンの動きから社会機能・認知機能を低下させる可能性がある関係で、社会生活をパワフルに営みたい人には少しデメリットがあるとも感じた。
少しでも役に立てば幸い。