こんにちは、 ちあき です。
アルコール依存症患者にとって魔の2ヶ月間といってもいい12月~1月。
そして桜が咲く4月。盆の8月。などなど…
だいたいスリップ(再飲酒)しやすい時期があります。
私は正月に妻の実家でスリップした経験があります。
「年末年始くらいいいんやないんか?」と義理のお父さんに杯を勧められました。
いろいろストレスがたまっていたことを言い訳に、口を付けたが最後
義理のご実家のために買ってきた350ml缶×50缶のビールを自分ですべて飲み尽くしました。
翌日はブラックアウトで記憶が飛び飛び、ひどい二日酔いで妻はぶちギレ。
「もうやめたら?」という静止もむなしく、「やめない!」と怒ってビールケースを抱えた後、なにやら独りで意味不明なことをわめいて泥酔していたようです。
もう完全に異常者ですよ。
死ぬほど恥ずかしい思いをしました。
これは家庭での出来事ですが、私は営業職をやっている関係から、どうしても忘新年会は避けては通れません。
顧客との飲み会、協力会社との飲み会、社内の飲み会…今年もあります。
仕事上断れない飲み会で、いかに「1杯くらいいいんじゃないん?」を躱すか?
今日はそのテーマでお話ししたいと思います。
基礎:相手の心理を読み解く
闘いに勝つにはまず相手を知らねばなりません。
お酒を勧めてくる人は、いったい何を求めているかについてここでは明らかにしていきたいと思います。
①お酒が好きで、純粋に楽しんでもらいたい、または気を遣っている
これは、善意の人です。
「飲み会を楽しんでもらいたい」「お酌をしなくては寂しいと思うかも」など、こちらが楽しく飲み会に参加できるように気をまわして話しかけてくれたパターンです。
こうした人は、こちらが本当にお酒を飲みたくない、あるいは飲めない人なのだ、ということが伝わればわかってくれることが比較的多いです。
「あ、そうなんですか」と言って引き下がってくれるのでこちらもほっこりします。
②酔わせて本音を引き出したい、または自分だけ酔うのは不安だ
これは、まあある意味、善意からきています。
自分が酔わなければ本音をさらけ出せない内向的な性格の人に多いです。
こうした人は逆に言えば我々「アルコール依存症患者」に近いメンタリティーを持っており、その後の飲酒が乱れてきた場合は、むしろ助けてあげないといけないな、と感じます。
隠された本音を聞きたい、人を簡単に信用できない、裏表があると信じて疑わない、こんな人は、飲み会で相手を酔わせて本音を聞き出したい、という恐怖におののいています。
だから、自分だけ酔って本音をしゃべるのは不公平だ、おまえも酔って本音を話せよ、と勧めてきます。
自分だけが酔っている状況が不安なので、このタイプはしつこいです。
もともと内向的で気が強くない性格なので、ある程度強めにはっきり言わないと、飲め飲め攻撃をやめてくれません。
「ちょっと!あんまりしつこいとちょっとうざいですね!笑」
などと笑いながら本音を小出しにすれば、相手は「ちょっとやりすぎたかな?」と引いてくれます。
引かなければ、素面の時に「本当にやめてほしい」と1vs1で伝えましょう。
③権力を誇示したい、目下の者を従わせたい
自称体育会系のひとに多い傾向です。
「俺の酒が飲めんのか!」「先輩の言うことは絶対だぞ!」というタイプです。
このタイプは、思考停止しているので、論理的な説明や病気の説明をしても頭に入りません。
「俺様が法律」バリのとんでも理論を展開してくるので、いつしか私はこのタイプとは話すのをやめました。
断り方は、「飲むと死んでしまうので飲めません、ごめんなさい」と断ります。
それでも根掘り葉掘り聞いてきたり、しつこいようなら、具合が悪くなったとでも言って帰るのが最良の選択肢です。
私はこのタイプと討論をしようとしてしまい、そのストレスが積もり積もって正月に爆発しました。非常に危険なタイプです。
ただ、親分肌でもあり情に厚いところもあります。目上の人なら、素面のときに1vs1で「個人的な相談」として病気のことを打ち明けてみるのも手です。
「俺だけに打ち明けてくれた」「こいつはこんなに悩んでたのか」という感情で味方になってくれることがあります。頼ってくれた後輩を見捨てることはしないからです。
味方になってくれれば私たちを守るために権力を行使してくれるので、飲まそうとするほかの連中に対して「おい!おまえらこいつは本当に飲めないんだからいじめるなよ!」と防御してくれる心強い存在になります。
要は、自分が一番慕われていて頼られている、という状況であれば気持ち良い人たちなのです。
④旧態依然とした文化や風習に縛られて生きている
危険なタイプその2です。
このタイプも思考停止していて話が通じません。もう変わりようがありません。
「目上の人にお酌をして、注がれたら飲み干すもの」とか
「祝いの席では飲めなくても口はつけるもの」とか
「酒は弱くても飲んで訓練すれば強くなる」とか
そうした現在では少し時代遅れの風習や礼儀作法にとらわれ、アルコール依存症という病気に対して理解を示すことができないタイプです。
この人たちも、相手をしていてはいけません。
そしてもうこれから淘汰されていく人たちなので、長く生息することはないでしょう。
今から嫌われてもそんなにデメリットはありません。
ですので、「すみません、飲むと死んでしまうので飲めません」と平謝りして撤退しましょう。
酒を勧められたときに確実に断る方法 Best3
いかがでしたか?
以上のように、同じ勧めてくる人でも、厄介な相手とそうでない相手がわかれます。
素面で話せばわかってくれるタイプには、早めに話しておきましょう。
私はめんどうだったので、いっそのこと社内全員に知られてしまえ!と
同じ職場のメンバー全員に会議で時間をもらい、自分の病気のプレゼンをしました。
しかし、職場や顧客のイベントなどでは不特定多数の人に会ってしまうので、事前の根回しができません。
「知らない人の前ならばれないかな…」
などと思って口をつけたが最後、またあの苦しい毎日に転がり落ちてしまうので、
「できれば飲み会には参加しない」
これが鉄板であることは間違いありません。
これが一番なのは重々承知なんだけども、どうしても出なくてはいけないときの対処法で有効だった3つを紹介します。
①車で会場に行く
道路交通法に定められた飲酒運転に対する罰則は、運転者本人への罰則と、お酒を提供した人、飲酒運転の車に乗っていた人、飲酒運転する事を知っていながら車を提供した人で罰則が分かれています。
酒類の提供を行ってしまったら、
運転者が酒酔い運転で捕まった場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 、
運転者が酒気帯び運転の場合は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 が課せられます。
「私が飲んでしまったら、これらの刑罰が○○さんに課せられてしまうので今日は飲めません」
とお断りします。
「いやいや、代行で帰ればいいじゃん」
「車おいてタクシーで帰ればいいじゃん」
という発言が次に来ます。
その場合は、妻か友人を会終了後に迎えるか送る約束をしている、と言いましょう。
この会場ではない誰かを、会場以外でピックアップしなくてはならない場合、運転者が飲んでしまったら連絡して別の交通機関を手配しなくてはならないので、相当な手間がかかることは酔っ払いでも想像できます。
この2段構えで臨めば、「なんだ、つまんねーやつだな」などとぶつくさ言われるくらいで乗り切れます。
何を言われようが、断酒を継続するのが第一。
そんなことでぶつくさ言う人は、しょせん大したことのない人なので、嫌われようと全く今後の人生に影響はないので、すっぱり忘れましょう。
②抗酒剤を飲んだうえで持ち歩いて紹介する
私は、抗酒剤を服用しています。
抗酒剤とは、アルコール依存症治療のための薬剤で、簡単に言えばお酒を毒素のまま分解させないようにする薬剤です。
つまり、人工的に「超下戸」な状態にします。
だから、この薬を飲んで酒を飲んでしまうと、とてつもなくひどい二日酔いに見舞われ、まもなく意識が混濁し、泡を吹いて倒れます。最悪死にます。
すぐに救急車を呼ばないと助からないレベルでマジやばい状態になります。
私はこの薬を服薬した状態で、赤ワインで煮込んだソースをかけたハンバーグをお店で気づかず食べてしまったことがあります。
それだけで、頭がぼーっとして気持ち悪くなり、これは風邪かな?と思うくらい具合が悪くなりました。
この薬は瓶に入った液体で、容易に持ち運べます。
「1杯くらいいいじゃん」と言われたら、これを見せましょう。
「私は実はこれを飲んでいるので、飲んだら死んじゃうんです、だからすみません」といえば
あえて殺そうと考えている悪意のある人以外はたいていドン引きして遠慮してくれます。
以前、それでも飲まそうとするツワモノがいたので、「抗酒剤心中作戦」を提案しました。
「わかりました。そこまで私に飲ませたいなら、あなたも抗酒剤を今ここで飲んでください。そして、救急車をよんでおきましょう。なぜなら、二人ともこれからとても苦しんで泡を吹いて倒れて意識がなくなり呼吸が止まり死にかけることになりますから。飲んだら死んでしまう私に飲ませるんだから、あなたも一緒に死んでください。同じ量ちゃんと飲んでくださいね。さあ、飲みますか。助かるといいですね。」
こう言ったら、いきなり心中を迫られて酔いがさめたのか、ギョッとした顔をして、ごにょごにょ言いながら撤退していきました。
③トイレに行くふりをしてこっそり帰る
最終手段ですが、もう帰っちゃいます、という選択です。
あなたが本当に大切なものは何ですか?
それは、あなた自身の命であり、あなたを真に大切に思ってくれる家族や仲間です。
その人たちとの信頼関係を守ってくれるのは、唯一、断酒の継続だけです。
仕事は正直、ほかにいくらでもあります。
今の仕事に命を懸けるほど思い入れがあり打ち込んでいる人もいるでしょう。
なればこそ、結局ここでお酒に手を付けてしまっては、今の仕事は早かれ遅かれ辞めることになってしまいます。
今日手を付けてしまったら、徐々に酒がやめられなくなります。
やがて飲酒による問題で居づらくなり、ある日運よく飲酒運転で捕まれば1発退場、懲戒解雇です。
飲まない、という選択以外に、あなたの大切なものを守る選択肢はない。
だから、それが難しくなるくらいなら、仕事なくなる覚悟で帰ってしまいましょう。
大丈夫、みんな酔っぱらって全然覚えていません。
そもそも飲み会における義務は、実はたった一つで、「乾杯のときにその場にいさえすればいい」のです。
私も当時は、最後までいて「ありがとうございました!」と皆で〆るのが礼儀だとか思っていましたが、もうその段階ではヘベレケで千鳥足の連中ばかりで、そんなに律儀に覚えていないのです。そうした酔っ払いの性質を、近頃はだんだん理解してきました。
顧客との飲み会や接待で、顧客を会終了後に見送るためにどうしても残っていなければならない場合でも「体調が悪くなってしまって…」と具合悪そうな顔をして帰りましょう。
心証が悪くなっても、そんなの全然大したことはありません。
無理をして酒を飲んでしまう結末より 1億倍マシです。
まとめ:断酒を継続することが最も優先すべき「仕事」
真面目で律儀な人ほど、「仕事だから」と自分の感情を押し殺して役割に徹する傾向があります。
でも、だからこそ、大切な仕事を続けるためには、断酒は必須です。
どんな手段を講じてでも、断酒だけは死守しなければなりません。
なぜなら、1口でも口を付ければまた仕事どころではないあの「悪夢のような連続飲酒の毎日」が始まるからです。
私はそれを4回経験し、以下の仮説はすべて間違いだったと証明してきました。
「少しだけなら大丈夫なんじゃないか」
「もう節酒できるようになっているかもしれない」
「仕事で言われたらしかたがない」
「飲まないと顧客に嫌われるかもしれない」
さすがにもうこりごりです。もう一度断酒するのは、すごくつらいし惨めです。
みなさんには、この気持ちを味わってほしくない。
命より大切な仕事や酒など無い。
私が実験してすでに証明しているので、あなたで再度証明を行う必要はありません。
おたがい、うまくこの難しいシーズンを乗り切って、清々しい朝を迎え続けましょう!!
では、また!
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