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【依存症】知ってますか?急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)

こんにちは! ちあき です。

今回は、ドライドランクにまつわる自分の失敗(再飲酒)から学んだある症状について、書いてみようと思います。

急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)

耳慣れない言葉ですが、みなさんご存知ですか?

私は最初に断酒をはじめて1年3ヶ月後、スリップ(再飲酒)しました。
それからは3ヶ月~6ヶ月くらいの間隔で、なぜか繰り返しスリップするようになってしまいました。

断酒して1ヶ月~3ヶ月は、体調が回復してきて、清々しい朝を迎えられる有難みを感じて、幸せな気持ちになれます。

しかし、3ヶ月を超えてから

 

 

なぜか不安になる、なぜか苛々する…

当時の私は、PAWSの特徴である下記の項目に該当していました。

 

急性離脱後症候群(PAWS)の特徴

症状は断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

○思考プロセス障害(脳の働きにムラがある; 頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できない)

○情動障害(情動の揺れ)

○記憶障害(短期記憶の障害)

○睡眠障害

○身体的協働性に問題

○ストレス感受性に変化

特に私の場合は、思考プロセス障害、睡眠障害、情動障害、ストレス感受性 の順番に陥りやすい傾向にありました。
とにかく拘りが強く頑なになり、毎朝○時に起きる、夜は○時からトレーニングをする、などの自分で決めたルーティーンが1回でもちゃんとできないと落ち着かなかったりしました。
寝言をはっきり喋る、寝ているときに夢と同じように体が動いてしまう、などの症状が特徴の「REM睡眠行動障害」を併発していて、毎日悪夢(だいたい殴り合いや拷問を受けたりしている夢)をみていました。
いきなり叫びだしたり、壁を殴って痛みで目が覚めたり、

妻に寝たまま膝蹴りをしてキレた妻にベッドから蹴り落とされて目が覚めたり…。笑

あなたがもしも、そんな苦しみの中にいるなら、とにもかくにも「1年」を目指しましょう。
堂々と、無理をしないで、一番楽なようにしていて、いいんです。
仕事なんて、できなくてもいい。後でいくらでもできます。私がそうでした。保証します。
ぜんぜん、焦らなくてもいいんです。
心を落ち着けて休むのが今はあなたにとって最も重要な「仕事」です。
「絶対に無理をしないこと」
「焦っても絶対にがんばりすぎないこと」
私は自分自身のしくじりを通じて、
断酒3ヶ月目~6か月目は、本当に無理しないことだけに徹すればよかった、と反省しています。
とにかく1年間経てば、かなり楽になります。
私は度重なるありがたいしくじり経験のおかげ(笑)で「1年経つと体も心もスッと楽になる感覚」を 合計2回 味わっているので、経験から、これは確からしい、と考えています。
「今感じている苦しみは、この時期のこういう症状なのか」
と自分が置かれている状況を認識できれば、思考の偏りを客観的に分析することができるので、誰よりまず自分が納得できます。
それが、断酒生活を送り続けるために重要な視点になります。
日々、一歩一歩、一日一日。焦らずにいきましょう。
私も、まだまだ断酒に取り組みだしてから3年の若輩者です。無理なく論理的に考え、進んでいきたいものです。お互い、あきらめずにマイペースで取り組んでいきたいですね。
では、また!


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【依存症】アルコール依存症「ドライドランク」自己診断チェックリスト

こんにちは、 ちあき です!

今回は、病院から教えてもらった、ドライドランクの自己診断チェックリストを公開します。

当てはまるものにチェックします。

何個以上などという基準はなく、当てはまったらドライドランクの可能性あり。

こういう思考になるのは、アルコールのせい、ドライドランクのせいであり、

決して、あなたの性格が悪いのではありません。

そのことに気づいていただくための、チェックリストであるといえます。

 

ドライドランク自己診断チェックリスト

 

1 ( ) 周囲の人のやることなすことに腹が立つ

2 ( ) 自分のつらさを分ってくれる人なんて誰もいないと思う

3 ( ) もう一生酒を飲めない自分はとても不幸だと思う

4 ( ) うれしいことがあると浮かれやすくなった

5 ( ) 思いのほか口が達者になって人と話し始めたら止まらない

6 ( ) 断酒が続いているのを家族が褒めてくれないので面白くない

7 ( ) 家族の中で自分の立場がなく、情けない

8 ( ) 気分がよくなったので仕事に復帰しても大丈夫と自信がある

9 ( ) 仕事上のブランクを早く取り戻したいと焦りがある

10 ( ) 酒のせいで出世コースから外れた悔しさでいっぱい

11 ( ) 仕事上の悩みが一日中頭から離れない

12 ( ) 身近にいる好みのタイプの異性にむしょうに惹かれている

13 ( ) 時間を持て余していてギャンブルがむやみにしたくなっている

14 ( ) 自分は他の人よりひどくないと思う

15 ( ) 飲みたい気持ちが早くも薄れたので、もう回復できたと思う

16 ( ) 一日が長く感じ、そわそわザワザワして落ち着かないときがある

17 ( ) 半ば意識が飛んで、自分が今何をやっているのか分かっていないことがある

18 ( ) 酒ぐらい一人で簡単にやめられると思う

19 ( ) 抗酒剤を飲まなくても酒はやめられると思う

20 ( ) ノンアルコールのビールなら飲んでみたいと思う

21 ( ) これだけ断酒を続けたから、一杯ぐらい大丈だと思う

22 ( ) 自分はたとえ酒席に出ても絶対に飲まない自信があると思う

23 ( ) 体験談を語るときは、通り一遍の話を繰り返している

24 ( ) 自助会のミーティングからしばらく足が遠のいている

25 ( ) 他の人の体験談はどの人の話も同じに聞こえ飽き飽きする

 

いかがでしたか?

 

私はほぼすべて当てはまり、最初のスリップを経験しました。

実際にスリップを繰り返して見返してみると、やっぱり当時は異常な状態だったのかな、と思います。

特に、

・1杯くらいなら大丈夫だと思う

・酒席に出ても絶対に飲まない自信がある

このふたつ。大丈夫じゃなかったし、酒に近づいたから実際飲んでしまいました。

 

1年経つまでは、お酒を遠ざけるのが一番です。

君子危うきに近寄らず、というやつですね。まだまだ気を付けなくてはなりません。

 

では、また!


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【社会福祉士】集団を活用した援助(グループワーク)の展開過程

グループワークの展開過程は、シュワルツが相互作用モデルのなかで提示した援助過程である4つの過程(準備期、開始期、作業期、終結・移行期)に沿って述べることができる。

 

準備期

準備期は、グループでの取り組みを始める前段階である。

援助者の役割は、グループ計画を立案し、グループワークの環境を整えるという役割である。グループワークのニーズ・目的・プログラムの内容・組織運営方法・メンバーの募集など、骨子を決める。

関連する組織にサポート要請をし、組織の内外に協力体制を構築する。継続的な運営に先立ち、事前に活動資金、備品、人材、施設や機関(場所)、情報といった社会的資源の確認をしておくべきである。

作業課題として、予備的感情移入が必要である。できる限りメンバーのおかれている状況やニーズや学術的知識をインプットしたうえで、グループワークの場面で表面化するかもしれない場面、メンバーの思いや感情(期待・不安など)を想像して波長合わせができる準備をしておかなくては、グループが混乱に陥る可能性が高いからである。

 

開始期

開始期は、メンバーたちが初めて出会い、グループとして動き始めるまでを指す。

援助者の役割は、メンバーとワーカーの間に援助関係を樹立すること、ワーカーはあくまで側面的に支援する存在であり問題解決の主体はメンバーであること、を双方向の話し合いにより共通認識とすることである。

作業課題として、メンバーの不安を払拭すべく、相互にコミュニケートすることである。グループ活動の枠組みや今後の方針などを丁寧に説明し、具体的な見通しと役割分担を明確に共有するよう心を配る必要がある。

 

作業期

作業期は、メンバーとグループが協力して取り組み、目標達成に向かって明確な成果を出すよう生み出すように進めていく段階である。

援助者の役割は、本格的なグループづくり、相互援助システムの形成と活用をサポートすることである。

援助者として本格的な働きかけの始まりとなる。リーダーを選び、ルールを決め、メンバーの役割を決める。こうした働きかけにより、グループに共通の目的意識が芽生えるのを助ける。また、メンバー同士が関係を広げながら相互に尊重しあい影響しあいお互いを受容しあいながら共鳴していく場づくりを媒介者として調整する役割を担っている。

こうした人間関係の化学反応が積み重なり、最終的に相互援助システムとして確立する。

個々のメンバーの課題に対してメンバー同士がお互いに気づきを得て、問題解決に貢献できるようになっていくと最終段階に到達したと言える。

作業課題として、メンバーの距離感や位置づけについてあくまであるがままに任せ、意図的に手を加えないように注意することが挙げられる。コミュニケートするメンバーの固定化やサブグループの存在を否定したり排除したりするのではなく、肯定的にとらえ、活かしていくことが求められる。

 

終結・移行期

終結・移行期とは、グループ終結の作業を進め、メンバーが次の段階に移行できるように援助する段階で、ワーカーはメンバーとともにこのグループワークで得られた成果や個々の変化について振り返り評価する。

グループワークが終結する条件はいくつかあるが、目的達成後存在理由がなくなった場合、当初の運営計画通りに運営が困難になった場合、メンバーの目標が一致せず効果が期待できなくなった場合、の3つが代表的である。

援助者の役割として、メンバーに前もって計画的な終結の予定を適切な時期に適切な方法で伝え、メンバー自身が終結に向けて問題解決への取り組みを含め納得感をもってゴールに迎えるようサポートすることである。メンバーがグループに対して愛着や執着を持っていればいるほど、喪失感による拒否や否定や悲嘆が発生する。この際、ワーカー自身の心情を含めて、複雑な感情をメンバーと分かち合い、ワーカーとしてそれぞれの想いを受容することが大切である。また、ソーシャルワーカーの倫理綱領にもあるように、グループワークが終了しても知り得た個人情報については取り扱いに充分注意しなくてはならない。

 

たとえば、依存症の「自助グループ」

集団を活用した援助(グループワーク)に、依存症患者の集まりである自助グループが挙げられる。

集団がもつ力を引き起こす相互作用を最も感じる集団援助の一つである。社会的に偏見が根強いため、「依存症」に悩む本人も家族も問題を抱え込んでしまい孤独感が強い傾向がある。

そうした孤立しがちな依存症に悩む者同士を結びつけることにより、心を頑なに閉ざしているメンバーでも、お互いに理解者を得られて「自分たちは孤独ではない」という安心感と癒しを感じることができる。

お互いの経験を正直に話し、ただ傾聴するというグループワークを繰り返し体験するというメンバー同士の化学反応の力は大きい。

【依存症】仕事上断れない飲み会でスリップ(再飲酒)を防ぐ3つの対策

こんにちは、 ちあき です。

 

アルコール依存症患者にとって魔の2ヶ月間といってもいい12月~1月。

そして桜が咲く4月。盆の8月。などなど…

だいたいスリップ(再飲酒)しやすい時期があります。

 

私は正月に妻の実家でスリップした経験があります。

「年末年始くらいいいんやないんか?」と義理のお父さんに杯を勧められました。

いろいろストレスがたまっていたことを言い訳に、口を付けたが最後

義理のご実家のために買ってきた350ml缶×50缶のビールを自分ですべて飲み尽くしました。

翌日はブラックアウトで記憶が飛び飛び、ひどい二日酔いで妻はぶちギレ。

「もうやめたら?」という静止もむなしく、「やめない!」と怒ってビールケースを抱えた後、なにやら独りで意味不明なことをわめいて泥酔していたようです。

もう完全に異常者ですよ。

死ぬほど恥ずかしい思いをしました。

 

これは家庭での出来事ですが、私は営業職をやっている関係から、どうしても忘新年会は避けては通れません。

顧客との飲み会、協力会社との飲み会、社内の飲み会…今年もあります。

仕事上断れない飲み会で、いかに「1杯くらいいいんじゃないん?」を躱すか?

今日はそのテーマでお話ししたいと思います。

 

 

基礎:相手の心理を読み解く

闘いに勝つにはまず相手を知らねばなりません。

お酒を勧めてくる人は、いったい何を求めているかについてここでは明らかにしていきたいと思います。

 

①お酒が好きで、純粋に楽しんでもらいたい、または気を遣っている

これは、善意の人です。

「飲み会を楽しんでもらいたい」「お酌をしなくては寂しいと思うかも」など、こちらが楽しく飲み会に参加できるように気をまわして話しかけてくれたパターンです。

こうした人は、こちらが本当にお酒を飲みたくない、あるいは飲めない人なのだ、ということが伝わればわかってくれることが比較的多いです。

「あ、そうなんですか」と言って引き下がってくれるのでこちらもほっこりします。

②酔わせて本音を引き出したい、または自分だけ酔うのは不安だ

これは、まあある意味、善意からきています。

自分が酔わなければ本音をさらけ出せない内向的な性格の人に多いです。

こうした人は逆に言えば我々「アルコール依存症患者」に近いメンタリティーを持っており、その後の飲酒が乱れてきた場合は、むしろ助けてあげないといけないな、と感じます。

隠された本音を聞きたい、人を簡単に信用できない、裏表があると信じて疑わない、こんな人は、飲み会で相手を酔わせて本音を聞き出したい、という恐怖におののいています。

だから、自分だけ酔って本音をしゃべるのは不公平だ、おまえも酔って本音を話せよ、と勧めてきます。

自分だけが酔っている状況が不安なので、このタイプはしつこいです。

もともと内向的で気が強くない性格なので、ある程度強めにはっきり言わないと、飲め飲め攻撃をやめてくれません。

「ちょっと!あんまりしつこいとちょっとうざいですね!笑」

などと笑いながら本音を小出しにすれば、相手は「ちょっとやりすぎたかな?」と引いてくれます。

引かなければ、素面の時に「本当にやめてほしい」と1vs1で伝えましょう。

 

③権力を誇示したい、目下の者を従わせたい

自称体育会系のひとに多い傾向です。

「俺の酒が飲めんのか!」「先輩の言うことは絶対だぞ!」というタイプです。

このタイプは、思考停止しているので、論理的な説明や病気の説明をしても頭に入りません。

「俺様が法律」バリのとんでも理論を展開してくるので、いつしか私はこのタイプとは話すのをやめました。

断り方は、「飲むと死んでしまうので飲めません、ごめんなさい」と断ります。

それでも根掘り葉掘り聞いてきたり、しつこいようなら、具合が悪くなったとでも言って帰るのが最良の選択肢です。

私はこのタイプと討論をしようとしてしまい、そのストレスが積もり積もって正月に爆発しました。非常に危険なタイプです。

ただ、親分肌でもあり情に厚いところもあります。目上の人なら、素面のときに1vs1で「個人的な相談」として病気のことを打ち明けてみるのも手です。

「俺だけに打ち明けてくれた」「こいつはこんなに悩んでたのか」という感情で味方になってくれることがあります。頼ってくれた後輩を見捨てることはしないからです。

味方になってくれれば私たちを守るために権力を行使してくれるので、飲まそうとするほかの連中に対して「おい!おまえらこいつは本当に飲めないんだからいじめるなよ!」と防御してくれる心強い存在になります。

要は、自分が一番慕われていて頼られている、という状況であれば気持ち良い人たちなのです。

④旧態依然とした文化や風習に縛られて生きている

危険なタイプその2です。

このタイプも思考停止していて話が通じません。もう変わりようがありません。

「目上の人にお酌をして、注がれたら飲み干すもの」とか

「祝いの席では飲めなくても口はつけるもの」とか

「酒は弱くても飲んで訓練すれば強くなる」とか

そうした現在では少し時代遅れの風習や礼儀作法にとらわれ、アルコール依存症という病気に対して理解を示すことができないタイプです。

この人たちも、相手をしていてはいけません。

そしてもうこれから淘汰されていく人たちなので、長く生息することはないでしょう。

今から嫌われてもそんなにデメリットはありません。

ですので、「すみません、飲むと死んでしまうので飲めません」と平謝りして撤退しましょう。

 

 

酒を勧められたときに確実に断る方法 Best3

いかがでしたか?

以上のように、同じ勧めてくる人でも、厄介な相手とそうでない相手がわかれます。

素面で話せばわかってくれるタイプには、早めに話しておきましょう。

私はめんどうだったので、いっそのこと社内全員に知られてしまえ!と

同じ職場のメンバー全員に会議で時間をもらい、自分の病気のプレゼンをしました。

 

しかし、職場や顧客のイベントなどでは不特定多数の人に会ってしまうので、事前の根回しができません。

「知らない人の前ならばれないかな…」

などと思って口をつけたが最後、またあの苦しい毎日に転がり落ちてしまうので、

「できれば飲み会には参加しない」

これが鉄板であることは間違いありません。

これが一番なのは重々承知なんだけども、どうしても出なくてはいけないときの対処法で有効だった3つを紹介します。

 

①車で会場に行く

道路交通法に定められた飲酒運転に対する罰則は、運転者本人への罰則と、お酒を提供した人、飲酒運転の車に乗っていた人、飲酒運転する事を知っていながら車を提供した人で罰則が分かれています。

酒類の提供を行ってしまったら、

運転者が酒酔い運転で捕まった場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 、

運転者が酒気帯び運転の場合は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 が課せられます。

「私が飲んでしまったら、これらの刑罰が○○さんに課せられてしまうので今日は飲めません」

とお断りします。

「いやいや、代行で帰ればいいじゃん」

「車おいてタクシーで帰ればいいじゃん」

という発言が次に来ます。

その場合は、妻か友人を会終了後に迎えるか送る約束をしている、と言いましょう。

この会場ではない誰かを、会場以外でピックアップしなくてはならない場合、運転者が飲んでしまったら連絡して別の交通機関を手配しなくてはならないので、相当な手間がかかることは酔っ払いでも想像できます。

この2段構えで臨めば、「なんだ、つまんねーやつだな」などとぶつくさ言われるくらいで乗り切れます。

何を言われようが、断酒を継続するのが第一。

そんなことでぶつくさ言う人は、しょせん大したことのない人なので、嫌われようと全く今後の人生に影響はないので、すっぱり忘れましょう。

 

 

②抗酒剤を飲んだうえで持ち歩いて紹介する

私は、抗酒剤を服用しています。

抗酒剤とは、アルコール依存症治療のための薬剤で、簡単に言えばお酒を毒素のまま分解させないようにする薬剤です。

つまり、人工的に「超下戸」な状態にします。

だから、この薬を飲んで酒を飲んでしまうと、とてつもなくひどい二日酔いに見舞われ、まもなく意識が混濁し、泡を吹いて倒れます。最悪死にます。

すぐに救急車を呼ばないと助からないレベルでマジやばい状態になります。

私はこの薬を服薬した状態で、赤ワインで煮込んだソースをかけたハンバーグをお店で気づかず食べてしまったことがあります。

それだけで、頭がぼーっとして気持ち悪くなり、これは風邪かな?と思うくらい具合が悪くなりました。

この薬は瓶に入った液体で、容易に持ち運べます。

 

「1杯くらいいいじゃん」と言われたら、これを見せましょう。

「私は実はこれを飲んでいるので、飲んだら死んじゃうんです、だからすみません」といえば

あえて殺そうと考えている悪意のある人以外はたいていドン引きして遠慮してくれます。

以前、それでも飲まそうとするツワモノがいたので、「抗酒剤心中作戦」を提案しました。

「わかりました。そこまで私に飲ませたいなら、あなたも抗酒剤を今ここで飲んでください。そして、救急車をよんでおきましょう。なぜなら、二人ともこれからとても苦しんで泡を吹いて倒れて意識がなくなり呼吸が止まり死にかけることになりますから。飲んだら死んでしまう私に飲ませるんだから、あなたも一緒に死んでください。同じ量ちゃんと飲んでくださいね。さあ、飲みますか。助かるといいですね。」

こう言ったら、いきなり心中を迫られて酔いがさめたのか、ギョッとした顔をして、ごにょごにょ言いながら撤退していきました。

 

 

③トイレに行くふりをしてこっそり帰る

最終手段ですが、もう帰っちゃいます、という選択です。

あなたが本当に大切なものは何ですか?

それは、あなた自身の命であり、あなたを真に大切に思ってくれる家族や仲間です。

その人たちとの信頼関係を守ってくれるのは、唯一、断酒の継続だけです。

仕事は正直、ほかにいくらでもあります。

今の仕事に命を懸けるほど思い入れがあり打ち込んでいる人もいるでしょう。

なればこそ、結局ここでお酒に手を付けてしまっては、今の仕事は早かれ遅かれ辞めることになってしまいます。

今日手を付けてしまったら、徐々に酒がやめられなくなります。

やがて飲酒による問題で居づらくなり、ある日運よく飲酒運転で捕まれば1発退場、懲戒解雇です。

 

飲まない、という選択以外に、あなたの大切なものを守る選択肢はない。

だから、それが難しくなるくらいなら、仕事なくなる覚悟で帰ってしまいましょう。

大丈夫、みんな酔っぱらって全然覚えていません。

そもそも飲み会における義務は、実はたった一つで、「乾杯のときにその場にいさえすればいい」のです。

私も当時は、最後までいて「ありがとうございました!」と皆で〆るのが礼儀だとか思っていましたが、もうその段階ではヘベレケで千鳥足の連中ばかりで、そんなに律儀に覚えていないのです。そうした酔っ払いの性質を、近頃はだんだん理解してきました。

顧客との飲み会や接待で、顧客を会終了後に見送るためにどうしても残っていなければならない場合でも「体調が悪くなってしまって…」と具合悪そうな顔をして帰りましょう。

 

心証が悪くなっても、そんなの全然大したことはありません。

無理をして酒を飲んでしまう結末より 1億倍マシです。

 

 

まとめ:断酒を継続することが最も優先すべき「仕事」

真面目で律儀な人ほど、「仕事だから」と自分の感情を押し殺して役割に徹する傾向があります。

でも、だからこそ、大切な仕事を続けるためには、断酒は必須です。

どんな手段を講じてでも、断酒だけは死守しなければなりません。

なぜなら、1口でも口を付ければまた仕事どころではないあの「悪夢のような連続飲酒の毎日」が始まるからです。

私はそれを4回経験し、以下の仮説はすべて間違いだったと証明してきました。

「少しだけなら大丈夫なんじゃないか」

「もう節酒できるようになっているかもしれない」

「仕事で言われたらしかたがない」

「飲まないと顧客に嫌われるかもしれない」

さすがにもうこりごりです。もう一度断酒するのは、すごくつらいし惨めです。

みなさんには、この気持ちを味わってほしくない。

命より大切な仕事や酒など無い。

私が実験してすでに証明しているので、あなたで再度証明を行う必要はありません。

 

おたがい、うまくこの難しいシーズンを乗り切って、清々しい朝を迎え続けましょう!!

では、また!


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【社会福祉士】社会福祉法人は本当に必要なのか?

社会福祉法人は、1951年に制定された社会福祉事業法、現在の社会福祉法により創設された社会福祉事業を行いことを目的とする法人である。

 

なぜ、社会福祉法人は創られたのか?(創設に至った概観)

第2次世界大戦終戦の混乱期に要援護者への対応が急務となるなかで、社会福祉に関する事業を国や地域公共団体の「制度」が担う必要性と行政の資源不足・民間資源活用の必要性から、強い公的規制のもと助成を受けられる特別な民間の法人として社会福祉法人が創設された。

国や地方公共団体が社会福祉法人に委託する形(措置委託制度)をとり、公共性の高い社会福祉事業を行う非営利法人として発展してきた。

1990年代に始まった社会福祉基礎構造改革により、福祉サービスの利用の仕組みが行政による措置委託から利用者との契約に移行した。また、株式会社などの経営主体による福祉サービスの参入が進み、福祉サービスの供給体制が多様化した。このような状況から競合する他のサービスとの立ち位置を明確にするため、より公益性・非営利性を徹底し、国民に対する説明責任と地域社会貢献を果たす組織として再定義された。

これが社会福祉法人制度改革の概観である。

 

現代における社会福祉法人が抱える問題点

近年、社会福祉法人の抱えやすくなる諸問題がいくつか社会的に取り沙汰されている。理事長とその親族による法人の私物化、不適切会計により多額の内部留保を溜め込む利益重視体質の露見など、最大の特徴と存在意義である公益性・非営利性を損なう事案が一部の社会福祉法人で確認されている。財務諸表を公表している法人が半数に満たないという驚くべき不透明性が隠れ蓑となり、非常識な役員報酬を目当てに自治体OBの実質的な天下り先になっていたり既得権益化しているという悲しい現実もある。

 

社会福祉法人が存続するために必要なCSRの概念

特別養護老人ホームの業界に民間企業(株式会社)が参入意欲を示し待機しているなか、優遇措置を受け続け社会福祉法人が存続するとしたら、上記のような諸問題を解決し社会的信頼と存在意義を取り戻す必要がある。

社会福祉法人の財務諸表の原則HPでの公表が義務化されているものの、法令上の根拠がないとして、平成25年の規制改革会議への報告では財務諸表を公表している法人は約4割(4,876法人)であった。財務諸表の公表が無い場合に、法人の指定取り消しを行うべきではないだろうか。

厚遇を受け税金をつかっている以上、前述した説明責任を果たす意味でも、組織の性質が異なるとはいえ、東証一部上場企業と同等程度のクオリティーの財務管理と透明性の確保は一般市民が正確に状況を理解するうえで、必須であると考えることもできる。

財務管理の透明性の確保を徹底したうえで、活動内容・財務状況・地域貢献度を地域住民に定期的な評価制度を導入するとよいだろう。存在意義の有無に関して360度サーベイを実施し、一定の評価を得られない場合は優遇の停止するか組織を他事業者へ移譲して民営化が速やかに実行できるようにするのである。

このように外部評価にさらされる環境を提供すれば、社会福祉法人は変わらざるを得ない状況に迫られて、サービスとしての価値に応じて進化するか滅びるか、いずれにせよ変わることができる。

この改革により浮いた予算を活用して、参入意欲がありサービスの質と量を定期的に監査する条件つきで、株式会社・NPO法人による参入に補助金制度を活用して支援をより促すのも効果的であると考える。

設立のしやすさから、粗悪なサービスを提供するNPO法人が問題視されているが、あまり役に立ちにくくなってしまった社会福祉法人に流れている予算をサポートに回して安定経営ができるようにサポート体制を敷き、競合する法人が多数存在するようになれば、市場原理が働いてサービスが不十分なNPO法人は自然淘汰され、価格に見合った適切なサービスを提供でき従業員に適切な賃金を支払える組織による社会福祉事業だけが生き残る、という未来が実現できるのではないだろうか。

福祉は一般的な事業と比べて、資本主義経済原理とは対極の公益性重視の事業であり、経験の無い法人は参入しにくい状況だった。提供すべきサービスも明確かつ限定的で社会福祉法人の役割がはっきりしていたので存在意義は大きかったのだろう。

しかし現代において家族のあり方・ライフスタイル・価値観は多様化しており、個別のニーズに対応するには事業者とサービスを多様化してアンメットニーズに対応できる体制を整えるべきタイミングを迎えていると考えられる。

他の事業で売り上げた収益を社会福祉事業に投資して複数の事業を運営する経営主体による安定した事業提供体制を整えるほうが、安定したサービス提供を望めるのではないか、と考えてしまう。

【ヘルスケア】そういえば、しじみ(オルニチン)が二日酔いに効くのってなんでだっけ?

こんにちは、 ちあき です。

「飲んだ次の日はしじみの味噌汁だよね」

「しじみ汁飲んでおけば翌日すごく楽だわ」

しじみに含まれているオルニチン。これが肝臓の働きを助ける、ということは、一般的によく知られている概念だと思います。

でも、じゃあなんでオルニチンがお酒を飲んだときに効果があるのか?ということは意外に知られていません。

私も「あれ?なんでだっけ?」とわからなくなってしまったので、調べてみました。

脳に悪影響を及ぼすアンモニアを無害化する「オルニチン回路」

肝臓には、有害なアンモニアを尿素に変えて解毒を行う「オルニチン回路(別名:尿素回路)」というものが存在します。

オルニチンは、この回路においてアンモニアと結合し、有害なアンモニアを無害な尿素に分解する中間体として重要な役割を果たしています。

なぜアンモニアを解毒しないといけないのか?を一言でいえば、アンモニアが脳にあると、最悪脳細胞が死んでしまうからです。

脳では、アンモニアをGDH(グルタミン酸脱水素酵素)によって、α-ケトグルタル酸と結合させ、グルタミン酸を生成してアンモニアの無毒化処理が行われるのですが、この無害化によりα-ケトグルタル酸が消費されて減少します。

更にオキサロ酢酸も減少することで、エネルギー産生で不可欠なTCA回路によるNADH生成や、呼吸鎖によるATP生成が停止してしまいます。

思考力の低下、運動機能・体反射の低下や麻痺、おぼろげな記憶・記憶の欠落や記憶喪失、幻覚・幻聴、視力の低下、眠気、脱力感等が起きます。

このように、アンモニアは修復不可能な脳の神経細胞障害を起こし、最後には脳細胞を死滅させます。

だから、アンモニアを尿素に変えて無害化しないといけません。

オルニチン回路(尿素回路)の回転はなくてはならないものです。

「NADH」が増えすぎて脳に栄養(グルコース)がいかなくなるから飲むとしんどくなる

上述したオルニチン回路と連動する回路に、TCA回路(クエン酸回路)という回路があります。

どこで連動しているのか?

このTCA回路においてアミノ酸をエネルギーに変えるとき、アンモニアが発生するからです。この発生したアンモニアを、先ほどのオルニチン回路で無害化しているのです。

オルニチン回路が順調に回転することで、TCA回路も順調に回転することができるようになります。

つまり、2つの回路は表裏一体なのです。

では、TCA回路とはなんなのでしょうか?

TCA回路は、糖質・脂質・タンパク質から返還されたアセチル-CoAを取り込むことからスタートする、生物がエネルギーを生産する上で最も重要な回路です。

そのアセチル-CoAが酸化されピルビン酸になる過程で「NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」が生成され、最終的にエネルギーの通貨であるATPを合成する原料になります。

ここで、アルコールの代謝過程を振り返ってみましょう。

アルコールは、

アルコール→アセトアルデヒド→酢酸・二酸化炭素・水

という順に無害化されるわけですが、

アルコールからアセトアルデヒドに分解してくれるのがADH(アルコール脱水素酵素)、

アセトアルデヒドを酢酸・二酸化炭素・水に分解してくれるのが、ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)です。

この2段階のいずれの分解過程においてもNADHが産生されます。

つまり、アルコールを摂取しても、このNADHという物質が増加するわけですが、

このNADHが過剰状態になると、アセチル-CoAがピルビン酸になれず、結果的にオキサロ酢酸が減少してしまいます。

このピルビン酸とオキサロ酢酸の2つが減少してしまうと、肝臓でグルコースが作れなくなります。

グルコースを作るこの肝臓の働きを「糖新生」といいますが、この糖新生が抑制されてしまうことで、糖以外の物質からグルコースをつくることができなくなります。

脳は、グルコースを重要な栄養源にしています。

つまり、グルコースが足りなくなってしまうと、脳が栄養不足に陥ってしまうのです。

しじみを摂取することでオルニチンを補充すると、オルニチン回路の働きが促進され、アンモニア解毒がスムーズに進み、結果的にTCA回路を促進することでNADHを消費させることに繋がります。

したがって、脳のエネルギーをつくり出すための阻害要因となってしまっていたNADHを正常化できると考えられています。

日常的に酒を飲みすぎると脂肪が増えるメカニズム

このアルコール代謝には、ADHやALDHだけでなく、補酵素(NAD+、CoA)がそれぞれ必要ですが、飲酒中の肝細胞内のミトコンドリアでは、この補酵素の取り合いになってしまいます。

油に含まれる脂肪酸からエネルギーを生み出す(脂肪を燃焼する)ことを、「脂肪酸のβ酸化」といいますが、実は、この脂肪燃焼にも補酵素(NAD+、CoA)が必要なのです。

脂肪を燃焼できないでいると、肝臓内に脂肪が貯まりやすくなります。

そうすると、脂肪肝になってしまったり、中性脂肪としてトリグリセリド(TG)が血中に大量に漂い、高脂血症になってしまってしまうのです。

中性脂肪(TG)が血中にたくさんあると、細胞に取り込まれて脂肪として蓄えようとします。

筋肉に脂肪が取り込まれて、霜降り肉のような状態になり、体脂肪率と体重が増え、どんどん太ってしまう、というわけです。

おまけ:アルコール依存症患者が断酒後になぜか酢が欲しくなる理由

アルコールばかり摂取していて食事をとっていない状態のとき、いわゆる「連続飲酒状態」に入っていると、糖質も脂質もタンパク質も欠乏します。

脳がエネルギーにできるのは、糖(グルコース)と脂質と酢酸ですが、「連続飲酒状態」では脳に供給されるエネルギーは、唯一、アルコールを分解した結果産生される「酢酸」のみになります。

すなわち、こうした状況に陥ったことのある脳は、酢酸でエネルギーをえることに慣れてしまいます。

だから、アルコールを摂取しないようになると、酢酸が欠乏したと思い、アルコール依存症者の脳は酢を飲みたいと錯覚するのです。

 

オルニチンをとっていても、体に負担がかかるのに変わりない

オルニチンはオルニチン回路を促進するかもしれませんが、実際に毒であるアルコールを処理する仕事量は変わらず、解毒する肝臓の負担自体は変わらりません。

摂取したアルコールの量に応じて、アセトアルデヒドが発生するしアンモニアを発生しますから、代謝はできても、仕事の量は実質増えているわけですので、肝臓は疲れます。

だから、お酒を飲み過ぎたからといって、いくらしじみ汁を飲んだとしても、チャラになるわけではない、ということはよく認識しておくべき事実です。

そもそも、毒となるアルコールを摂取しなければオルニチンを摂取する必要はありません。

アルコールを摂取しなければ、オルニチン回路が障害されることもなく、TCA回路が障害されることもないからです。

毒で犯された体ができるだけ通常通り動くように一時的にドーピングする手段に過ぎないのです。

しかしながら世の中のサラリーマンはウコンやオルニチンのサプリを飲んでドーピングしてまで、連日飲み会に繰り出します。

この日本の文化というか、ドーピングしてまで酒を飲むのが一般的なのも、いかがなものかな?と個人的には思います。

それだけ、体に良くないことをしなくては紛れないストレスを抱える社会構造だという逆説的証明なのかもしれません。

「オルニチンを摂取しているから深酒をしてもいい」と安易に考えていると、いずれ肝臓が悲鳴をあげることになります。

できればサプリに頼らず、適量で飲めているうちに飲酒量を減らすのが、最も賢い選択だといえます。

そのことを身をもって体験し、一番よく知っているのが、我々アルコール依存症者なのかもしれないですね。笑

では、また!

【依存症】アルコール依存症特有の睡眠障害と対策とは?

こんにちは、 ちあき です。

連続飲酒をしていたころ、私は毎日酩酊してブラックアウト(酔って記憶がなくなること)し、ほぼ気絶するように夜眠りについていたので、夢を見ることがありませんでした。

アルコール依存症とわかって断酒しだしてから、自分が睡眠障害を持っていたことに気づきました。元々持っていた、というよりも、アルコール依存症だからこそ睡眠障害を合併したのでしょう。

今日は、私が悩まされている睡眠障害と対策についてまとめました。

睡眠障害① 悪夢をみる

なぜか、ものすごく悪夢ばかりみるようになりました。

夢はそもそも脳のストレス処理と情報処理のためにみるものであり、内容が悪かったからと言って悲観することはないのですが、悪い夢が毎日だと少し気が滅入ります。

よく見る夢と、その意味、そして対処方法は以下の通りです。

〇誰かを殺すまたは激しく攻撃する夢

取っ組み合いの喧嘩になり、だいたい素手で相手を死に至らしめるまで暴行を加え、なかなか攻撃が効かず返り血で血まみれになるまで攻撃したところで、目が覚めます。

相手は知らない人から職場の人まで様々ですが、激しい怒りと憎悪が向けられています。

おそらくこれは、飲酒できないことにより直面している社会ストレスと対人ストレスがあり、それを脳が解消するためにみていると考えられます。

夢占いにおいてこれらの夢には意味があるようです。

例えば、人を殴る、というのは、「愛情」を示しているといわれています。

「知らない相手を殴っている夢」は、自己愛を意味しています。自分を好きでいることの裏返しのようです。断酒している自分自身に対して、愛情を持つことができるようになってきたと解釈でき、素晴らしい変化だと思います。

「相手を殴っているのに相手に効いていない夢」は相手を愛しているのに振り向いてもらえない、という悲しみを意味しています。自分自身に対して、他人に対して、好意を寄せているのに応えてもらえないことへの鬱憤を夢で晴らしている状態です。これは、断酒と関連して考えれば、断酒継続していても周囲にまだ受け入れられていない、または評価されていないことへの苛立ちや怒りや悲しみを脳が夢の中で処理していると考えられます。

ただ、反対に「相手を殺す夢」は、単純に、殺した相手に対してストレスを抱いているか、現状を打破したいときにみることが多いと言われています。悩みながら断酒を継続し、飲酒していた忌まわしい時代を乗り越え打破したい、と思っているからだと考えられます。

〇飲酒して後悔する夢

飲むところから始まる夢もあれば、飲んでしまった後パニックになり、どう隠蔽するか悩む夢もあります。

この夢は、実はアルコール依存症から回復している証です。

というのも、意識上受け入れがたい願望が夢となっているとされており、「飲酒」が「受け入れがたい願望」と認識されているということなので、アルコールを断とうと強く心に決めているからこそみる夢だと言えるからです。現実には飲むことをすでにあきらめたからこそ、夢で願望を処理しようとしているといえます。なので、まだ飲もうと思っているのか…とか、正夢になっちゃうんじゃないか…などと落ち込む必要はありません。

あなたが回復している証です。

睡眠障害② REM睡眠行動障害

REM睡眠行動障害とは、夢に連動して腕や足が動いたり、寝言をはっきり話したりする事をいいます。

ある朝、夢の中で対戦相手の腕を圧し折ろうとしたのですが、「ちょ、痛い!」という声で目が覚めました。妻の腕を鷲掴みにしていました。「ごめん、ホントごめん」と慌てて謝る…こんなことがよくあります。

行動もしかりですが、自分の寝言で目が覚めたりします。時には、怒りの叫び声で目が覚めることも。

アルコール依存症に伴う睡眠障害としては、不眠、悪夢、多夢、過眠、昼夜逆転(リズム障害)、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)などがあります。

断酒後は強度の不眠、あるいは振戦せん妄がみられます。一般的に断酒後も6ヶ月~数年は不眠が継続します。

アルコール依存症の睡眠の特徴としては、non-REM睡眠(深睡眠)が減少し、REM睡眠(浅睡眠)が増加します。REM睡眠に入るまでの時間と、より眠り始めて前半に眠りが浅くなりやすい傾向があり、睡眠・覚醒リズム(生体リズム)の変調をきたします。これは内因性うつ病と類似した症状です。

(参考文献:アルコール依存症に関連する睡眠障害(久留米大学 内村直尚):精神経誌(2010)112巻8号)

このREM睡眠が増加する傾向から、REM睡眠行動障害を誘発するものと考えられます。以前は酩酊していて意識していなかったものの、「飲酒していた頃はよりひどかった」という妻の証言から、過度のアルコール摂取を日常的に繰り返すことにより併発する可能性が高く、重症化しやすいように思われます。

薬剤治療を含めた対策は?

さて、ではこのような状況に対して以下に対応すればよいのでしょうか?

かかりつけ医に相談し私が実践して、症状が軽減した解決策は以下の通りでした。

〇朝日を浴びる+規則正しい食事+適度な運動+入浴

質の良い睡眠を得るために必要なのは、自然な眠りを司るホルモン「メラトニン」が寝る前に正しく分泌されることが重要です。

私たちの体は朝日を浴びて一日の体内時計をリセットします。朝日を浴びると、交感神経が優位になり、コルチゾールやアドレナリンなどの覚醒系ホルモンの分泌は開始されます。このとき、メラトニンを分泌するタイマーがセットされ、夜になると自動的にメラトニンが生成されて分泌される準備が整います。

特に朝食をしっかり摂ることが大切で、起きた後朝食をとることで、夜間の睡眠で枯渇状態だった体にエネルギーが取り入れられ、体内温度が上昇します。体内温度の上昇は、活発に日中行動するためのスイッチになります。

適度に体を動かして、身体的な疲労もある程度蓄積しておかないと、寝るときになって、頭は疲れているのに身体が元気で寝つきが悪くなることがあります。特にリズム運動(ウォーキングやジョギングなど)はセロトニンという安心に繋がるホルモンを分泌する助けになります。不安障害やせん妄を合併しやすい私たちアルコール依存症患者にとってうってつけの運動だと言えます。

しっかり入浴して一度体内温度をあげておくと、体は放熱して温度を下げようとします。実は寝るときには、身体の芯の温度(深部体温)が低下して眠りに入ります。少しぬるめのお風呂にしっかり入って一度温度を上げることが、効率的に深部体温をさげ、自然な眠りに入るためには重要と言われています。

〇睡眠薬によるREM睡眠行動障害治療

REM睡眠行動障害には、心療内科かかりつけ医から「リボトリール」というBZP系薬剤を処方されました。0.5mg×1日1回就寝前。これは本来抗てんかん剤ですが、REM睡眠行動障害にも適応があります。これで私はかなり睡眠時の異常行動が軽減されました。

しかし、眠気や注意力・集中力・反射能力等の低下がおこり、高所作業車や車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事できなくなりますので、注意が必要です。

いかがでしたか?

意外に同じ症状に悩む人は多いと思います。断酒会でも「あるある!」と話題になります。睡眠障害が出てくるくらい、やはり体が酒でおかしくなっているんだと思います。無理せず正しく対処して、確実に断酒を継続していきたいですね。

では、また!


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【依存症】発達障害(ASD)とアルコール依存症って関係があるの?

こんにちは、 ちあき です。

 

私は発達障害があり、「ADHD寄りのASD」です。

発達障害と障害扱いされていますが、普通の脳と少し違うだけで、個性の一つだと思います。

なんでも「普通」から外れていたら「障害」にして治療対象にしてしまう文化に対しては、

いかがなものかと思いますが…。それは置いておいて、

ASDの特徴とアルコール依存症との関連について話してみたいと思います。

 

ASDの診断と具体的な特徴

最新のガイドラインであるDSM-5において、自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、以下のA,B,C,Dを満たしていることが、診断基準になります。

 

 

A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(以下の3点で示される)

1.社会的・情緒的な相互関係の障害。

2.他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)の障害。

3.年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害。

 

B:限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)

1.常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方。

2.同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン。

3.集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある。

4.感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心。

 

C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。

 

D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。

 

 

最新のガイドラインでは、自閉症は幼児期に特有ではなく、どの年齢でも発症すること(発見されること)のある発達障害として定義し直されています。

 

 

1.社会的コミュニケーションおよび相互的関係性における持続的障害。

 

2.興味関心の限定および反復的なこだわり行動・常同行動

 

 

 

つまり、具体的にはこんな人です。

 

・あいまいな指示を理解できず、文字通りに解釈するため、冗談やお世辞、皮肉が通じない。

・同じ発音の単語のうちどれが正解か、話の文脈から判断することができず、すぐに理解できない。

・「なんでもいいから今やりたいことは?」というような漠然とした質問で固まる。

・他人を傷つけることを平気で言ってしまう。

・名前を呼ばれないと自分のことを言われているのに気がつかない。

・カッとなりやすく、些細なことで争いになる。

・白黒はっきりつけたがる。

・暗黙のルールや常識が分からない。

・一度に二つのことは出来ない。

・先の見えないことには、とても不安になりやすい。

・興味の無いことは、極端に出来ない。

・初めて取り組むことやステップを知らないことについては、指示が無いと動けない。

・夢中になると「ストップ」がきかない。

 

・・・なんだか書いていて悲しくなってきますが、太字が特に私に当てはまるところです。

 

「こんなの扱いづらいイタイやつなだけじゃん」

「使えないやつなのを障害で言い訳すんなよな」

 

などという心無い言葉に何度心を折られたことでしょう。笑

 

 

ASDが陥る2次障害としてのアルコール依存症

親にも「いうことを聞きなさい」と言われ、

友達にも「お前空気読めよ」と言われ、

家庭・学校・職場など、あらゆるところで責められ仲間外れにされる発達障害。

誰にもこの発達障害を理解してもらえないで生きてきたASDが多いことでしょう。

そんなASDによる社外不適合は、うつや不安障害などの2次障害の原因になっているといわれています。

その一つに、依存症(アディクション)があります。

アルコールに限らず、ギャンブル・薬物・タバコ・ゲーム・ネット・SNSなどが依存症の対象になります。

アルコール依存症者においては、自閉性傾向を示す者の出現頻度が高いことが推測されています。

また,自閉性傾向群の生活面においては,非自閉性傾向群との有意な差はみられないものの,推測通り,幼少期から青年期に対人関係の難しさや社会的・職業上の問題を抱えている者が多いという結果だったそうです。

これは,自閉症スペクトラム障害の特性であるこだわりの強さ飲酒行動が結びついたことにより,アルコール依存症の発症につながったと考えられています。

また,自閉症スペクトラム障害から生じる抑うつ状態や不安感等の二次障害に対して,一時的な消失・抑制をするための自己治療薬としての飲酒が、結果として、二次障害をまぎらわすための併存障害である“アルコール依存症”として診断された可能性も考えられます。

参考文献: アルコール依存症における自閉性傾向の検討~自閉症スペクトラム指数(AQ)を用いた調査から~ 片桐千恵1), 宮崎恵1), 大庭佐知子2), 岩田こころ1), 山本哲也1), 三好弘之2), 河口剛1), 小杉好弘1) 1)医療法人弘心会小杉クリニック本院, 2)医療法人弘心会小杉記念病院 日本アルコール関連問題学会雑誌 13(): 131-135, 2011.

 

しかし、ASDとアルコール依存症の併存率に関するエビデンスは少なく、また、ASDと非ASDを比較して知能・遂行機能・動機付けの能力に優位差はなかったとしている論文もあります。

 

発達障害でも、アルコール依存はADHDで併存しやすい

国外の複数の研究で、アルコール使用障害患者におけるADHD併存率は、20~30%とされています。

国内では、鈴木らが男性アルコール使用障害患者に対するADHD(DSM』の診断基準を利用)の併存率は、20~30歳の若年群では19%、40~60歳の中年群では3%であったと報告しています。

ASDについてはアルコール使用障害患者における併存率に言及した文献は乏しく、Santoshらは小児期に広汎性発達障害と診断されていた患者は薬物/アルコール使用障害の発症リスクが健常成人より低く、発症したケースはすべてADHDが併存していたとしています。

 

ADHD特性が強い患者は治療継続率が低い傾向にあります。

また、固まった枠組みのなかに留まることができずに治療者、他患者とぶつかることも多いそうです。

 

この文献では、面白いことに、同じ発達障害でも「ASD特性はアルコール関連問題からの回復促進因子ともなりうる」と言われています。

 

初診から2年以上経過が追えているアルコール使用障害患者を対象にした河本らによる調査では、自閉症スペクトラム指数(AQ)のスコアが高い、つまりASD特性がより高い患者群において、断酒継続率が高かったそうです。

河本は同文献のなかで「強迫性」、「固執傾向」といったASD特性が、断酒継続に必要な自助グループへの定期的、ときには強迫的な参加、単調な生活の繰り返しの原動力になると考察しています。

参考文献: [2] アルコール使用障害と発達障害 宋龍平, 角南隆史 地方独立行政法人岡山県精神科医療センターFrontiers in Alcoholism 4(1): 25-30, 2016.

 

発達障害を知ることは、断酒継続のために自分を知ること

私は、「ADHD寄りのASD」なので、ADHDの要素(興味や考えが飛びやすく、会議のように一ヶ所にジッとして落ち着いていることが難しかったりする)もあります。

しかし、基本的にはASDであるため、「理論と科学的根拠に固執し、誰も信じず、かつ常に正しくあろうとする強迫性」をもっています。

その性質が、ストレスの原因になっているのと同時に、断酒継続の原動力となっているのだと思います。

この性質を知ること自体が、断酒を継続するために重要な「己を知る」というステップを踏むために重要です。生きづらさを感じている場合、もしかするとADHD・ASDにあてはまるのかもしれません。

 

しかし、障害が有る無しをうまくできない理由=「言い訳」にするというよりも、特性を知り、再飲酒(スリップ)を回避したり、生きる上でのストレスを減らすためにこの障害の知識を生かすべきである、と思います。

実際、私はこの診断が下ってから発達障害について本を読んだり先生に聞いたり文献を取り寄せて読んだりして、対処の仕方を適切にカスタマイズすることができたと思います。

 

そうした経験から、今回は発達障害、特にASDとアルコール依存症について書いてみました。

次回は、もう少しADHDについても文献を読んで勉強してから書いてみたいと思います。

では、また!


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【依存症】HSP と アルコール依存症

こんにちは、 ちあき です。
今日は、繊細な性質を示すHSPとアルコール依存の関連について以前自分なりにまとめたものを記事にしてみたいと思います。

■HSPとは?

HSPとは The Highly Sensitive Person の略語。
非常にセンシティブな人を差します。
障害ではなく、生まれつきの気質であり、全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い、ささいな刺激を察知するなどの特徴があります。
HSPは「気質」なので、
むしろ「特長」「長所」です。
ただ疲れやすいのでうまく休む必要がある人なのです。
HSPは、体や脳の内側からの情報を敏感にキャッチし、過剰に反応して、神経やホルモンを必要以上に活動させます。
特に過活動になるのは、前帯状皮質です。別名を、帯状回前部、前部帯状回 とも言います。
理性と感情の中継地であり、自律神経や痛みの中継地でもある部位で、脳のこの「前帯状皮質」で人は「疲れ」を認識します。
HSPは、人間関係の機微や感覚に対してオーバーロード(過負荷)を起こしやすくなってしまい、慢性のストレスを抱えた状態に陥ると、前帯状皮質の活性は低下してしまいます。
活性が低下すると、疲労感・無気力感が発生し、最終的に、自律神経に乱れが生じて、痛みを感じやすい慢性疲労状態になります。

■「前帯状皮質」とアルコールのHSP特有の関連性

これがアルコール依存症とどう関係するのか?
HSPで疲弊しやすい前帯状皮質を「抑制」したい脳にとって、アルコールはうってつけの「抑制」を与えてくれる化学物質だという因果関係がありました。
アルコールは、抑制系作用の薬物です。
特にGABA受容体に働き、「鎮静」させることで、気持ちがほぐれたように安心感を感じます。
アルコールがGABAの働きをするので、繰り返しアルコールが入ってきてGABAの代わりをしてくれる、と脳が理解すると「GABAは必要ない」と脳の総本部が考えて調整し、バランスを保とうとします。
結果的に腹側被蓋野でのGABAが減少します。その結果、ドーパミンが増加して楽しさや満足感を感じます。
ひとは、一般的にお酒を飲むと、腹側被蓋野を「抑制」していたGABAが無くなり、その先に神経が繋がっている、所謂『部下』的な立ち位置の前頭前野の「抑制」も上手くいかなくなり、酩酊時は理性的な行動ができなくなります。
したがって、HSPの人は、過剰に前帯状皮質が機能してしまい慢性疲労状態に陥るため、特に前帯状皮質の活動をアルコールによって「抑制」したい、「抑制」により慢性疲労状態を解消したい、という欲求に駆られやすいと考えられます。
繰り返しアルコールを摂取することにより、前帯状皮質が「抑制」される経験が積まれ、学習した脳が、脳内報酬系の回路を作り、「これは脳を休めるのに良い方法だ」と記憶します。
この記憶を再現すべく、飲酒を繰り返します。
繰り返し飲酒することにより、アルコールの作用に対して耐性を得てしまい、量が増えコントロール不能になります。
量が尋常でないほど増えても、獲得された耐性により十分だと感じるほど作用しなくなります。
いくら飲んでも満足できなくなり、胃や胆肝膵が痛むまで摂取する「連続飲酒」に陥入るというわけです。
吐きながらも飲み、ご飯も食べられなくなり、内臓疾患の急変で救急搬送されて入院になります。
だから、そこまで行かなくちゃ、(底つき)まで経験しなくちゃ誰にも何にでも、容易に止められないのです。
無意識に「脳の疲れを癒したい」と酒に口をつけたところから酒に頼り切ってしまうと、酒は、疲れを癒すどころか、全てを破壊し尽くし身体や心を蝕む魔物になります。
では、また!


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【依存症】禁煙したいひとへ②:論理的に「習慣」と「依存」を排除する方法

こんにちは、 ちあき です。

前回、

【依存症】禁煙したいひとへ①:タバコの実害を論理的に考えてみよう

と題して、タバコやアイコスのデメリットについてまとめました。

禁煙を決意する前、これらの話は耳が痛くて、正直当時は避けてきました。

でも、事実を踏まえて行動を変革することが、賢い人間がすることであり、禁煙したいと思っている賢い皆さんならできる事だと思います。

今回は、タバコをやめようと決意したきっかけのエピソードと、なぜ私たちならやめられるのかを逆説的に説明し、最後に方法論を紹介したいと思います。

 

私がタバコをやめようと思ったきっかけ

突然ですが、私は今の会社で「懲戒処分」になったことがあります。

タバコではなく、お酒が原因です。

私はアルコール依存症です。一度飲みだしたら止まりません。ある日、大事な日の前日に遅くまで酒を飲み、泥酔した状態で仕事に来て、大問題になりました。上司は本社の偉い人から「どういう教育をしているのか」とこっ酷く怒られ、青い顔をしていました。

当然私に対する憎悪はすさまじく、上司は、「こんなやつはもういらん」と懲戒解雇すべく証拠集めに乗り出します。

こういうときには埃を出し尽くそうと、いかに成果が上がっていなかったか、活動ができていなかったか、書類に不備があるか、等の点を列挙します。そして、叩きに叩かれます。

「お前がいなくなったらどれほど気が休まるか、はあ」

「辞めてくれ、と口に出さなければ意味がわからないほど馬鹿なのか?」

「お前が会社に残ったとしても数年でいられなくなるぞ」

他の社員とは連絡を取らせないよう情報を制限して孤立させて追い込み、依願退職という形を引き出そうとします。少し出社させて、何の仕事もなく誰に話しかけても無視される環境を作り、精神的に追い詰めます。

それが、大企業が人をやめさせたいときの常套手段です。実に合理的です。

それでも耐え続けて酒を断ち、辞めなかった私は、ある日支店長に呼び出されました。

 

上司の上司である支店長は、喫煙しますが飲酒はしない人でした。

アルコール依存症患者が断酒するのがどれほど大変なことか理解できない人でした。

彼が言った言葉が、私に禁煙を決意させました。彼は言いました。

 

「人の本質は変わらない。ゆえに、私はお前を認めることはない。

あれだけのことをして、酒を止めるのは当たり前だ。

朝早く起きて会社に行くのも当たり前だ。

成果を出してなければ、変わっていないのと同じだ。

周りが、私が、評価しなければ、お前は頑張っていないのと同じだ。

私はお前が成果を出していると思わないし、変わったと評価していない。

変わったかどうかは、他人が決めるのだ。

評価するかどうかは、他人が決めるのだ。

つまり、私が決めるのだ。だから、お前は頑張っていない。

何でもすると言ってすがりついたくせに、何も成していない。

私たち会社のことを考えるなら、私たちに少しでも恩返ししたいなら、

あのとき、決断してくれた方が、私はずっと良かったのに。 」

今まで、「申し訳ありません」しか言わなかった私も、このときばかりはキレました。

 

「それは、どういう意味ですか?」

こいつには、俺の何も、わかりはしない、と確信しました。
当時、仕事を干された状態で、得意先は一切回れませんでした。
書類整理など窓際に追いやられ、ただただ雑用すら願い出て、頭を下げてやらせてもらい、泥水をすすりながら、酒を断ち4ヶ月過ごしていたところでした。
「今、なんと言った? 今、なんと言った? 成果を出していない?
その冷遇状態を知っていて、成果を上げなければ認めない、だと?」
そう思った瞬間、全身の毛が逆立ち、血が逆流し、身体がカタカタと怒りで震えました。

 

あぁ。こいつは俺を認める気なんか1ミリもない。

そんなら、俺はこいつを全身全霊で全否定してやる。

死んでも絶対に、タバコを止めてやる。

目の前で偉そうに踏ん反り返っている、

こいつには、絶対に復讐してやる。

こいつには、絶対に目に物を見せてやる。

 

支店長が止められないタバコをやめて、支店長が知らない酒を断ち続けて、

絶対、絶対、絶対に、いつか絶対に、こう言ってやろう、と

紙に書いて持ち歩いていた言葉があります。

 

吸いたくなったとき、繰り返し読み返して車の中で音読しました。

 

「タバコなんか、止めるのは簡単だったな。

断酒の方が死ぬほどキツいよ。

まぁ、同じ立場ならあんたにはどっちもできないだろうけどな。

まだあんなもん吸ってんのか?

それなら、お前は俺に比べて成果を出していないことになるぞ?

成果を出してなかったら、『頑張ってない』んだろ?

ほら、悔しかったら今日からやめてみろよ。

俺に「断酒は当たり前」と言い切ったんだ、それより簡単なタバコくらい、スパッとやめられて当然だよな?

え?できない?別にそれでもいいよ、お前ごときは、そうなんだろ。

ただ、お前は俺に何もいう資格はなかったな。

ほら、俺をコケにしたことを泣きながら土下座して詫びろよ、根性なし。」

 

この悔しさが、断酒4ヶ月でドライドランク状態のなか、禁煙できるだけのマインドを形成してくれました。

 

止められない人ほど、逆に『意志が強い』から成功する!

実は、タバコをやめられない人は、意志が強いのです。

「いやいや、やめようと思っても止められないんだから意志弱いでしょ」と思うでしょ?

 

しかし、意志が弱い人なら、こんなに健康に悪くて、家族や職場から嫌な顔をされて、少ない小遣いを圧迫するような物を何年も買い続けられないと思いませんか?

様々な障壁があるにも関わらず「タバコを吸いたい」という一念を貫き通す人のほうが、周りに言われて「じゃあいいや」と止められる人に比べて、『意志の強さ』自体は明らかに強いのです。

つまり、「タバコを止めたい」という一念を貫き通す方向にベクトルをシフトすれば、これだけ強靭な意志の力を振り向ければ、必ず止められます。

今まであなたは、本気で止めようと思っていなかっただけです。

あなたが私と同じ意志の強いなかなかやめられなかった人なら、必ず止められます。

 

私が試して成功した方法・失敗した方法

では、どのようにしてやめたのか?を紹介します。いろいろ試したので、成功した方法と失敗した方法をそれぞれ紹介します。

 

①成功した禁煙方法

・繰り返し繰り返し、タバコで味わった悔しさを思い出す

何でもいいので馬鹿にされたときのことや、タバコに対して何か言われたことを、いつ誰に何を言われたか、克明に記載しておき、何度も読み返します。

タバコが吸いたくなっても、吸いたくなったら、毎回音読して悔しさを鮮明に呼び戻します。

そうすれば、タバコが吸いたくなったら自然と音読していた言葉を思い出せるようになります。当時の悔しさや血が逆流するような怒りを瞬時に思い出せるようになります。

その連想回路が成立すれば、次第に吸いたいと思うこと自体に嫌悪感を感じるようになります。そうなれば、「タバコを吸いたい」を自然に回避できるようになります。

 

・ミンティア・ガムで口寂しさを軽減し「習慣」を断つ

喫煙の習慣がある場合、「起きた時」「コーヒーを飲むとき」「この喫煙所についたら」「食事を終えた後に」「セックスをした後に」「仕事終わりに」「運転しているときに」など、決まったタイミングで『タバコを咥え火をつける』というルーティーンが脳に刷り込まれています。

これが厄介で、特に吸う気がなくても、ある場面・あるタイミングになると勝手に脳が『ここでタバコでニコチンが摂取できる』と経験から連想して、タバコに手が伸びてしまう原因になります。

この習慣を変えるには、別のルーティーンに置き換える必要があります。

おススメなのは、ミンティアやBLACKガムなどのミント系の菓子類です。

これらは糖類を多少含んでいるものの依存性がないため、ルーティーンに置き換えても別の依存を生むリスクが少ないためです。

糖分が多いものにシフトしてしまうと、糖質の過剰摂取はインスリンの分泌過多を招き、食原性の低血糖症状を招きます。食原性低血糖は、抑うつ症状や不安障害の原因になります。

 

・襲いかかる眠気をカフェインで覚醒させて1ヶ月乗り切る

ニコチンを繰り返し摂取すると、脳にニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体が形成されます。

喫煙者は、常にニコチンの血中濃度を高めておくことで、このnACh受容体が覚醒・興奮を促すドパミンを放出させるので、覚醒レベルが高く保たれているわけです。

しかし、ニコチンの摂取をやめると、このnACh受容体にニコチンが結合できなくなるため、ドパミン濃度が低下してしまいます。

したがって、覚醒レベルが低下して、強い眠気が襲いかかります。

眠気が1ヶ月程度続きますが、これは、脳がnAChの受容体の量を喫煙以前の受容体の数にリニューアルするために必要な期間が1ヶ月程度だからだと言われています。

ニコチンが枯渇して「ああ、もうニコチンは入ってこないからちゃんと他の回路でドパミン分泌を促さないといけないな」と脳が諦めて構造改革を行うのには、1ヶ月必要なのです。

それまで眠気と戦うために、一時的にカフェインに頼りましょう。

しかし、カフェインの過剰摂取は健康によくなく、頭痛や不眠の原因になります。

欧州食品安全機関(EFSA)が発表した成人において安全とみなされる量は3.0mg~5.7mg/kg。60kgの人だと180~342mg/回となります。インスタントコーヒー1杯で約60mgのカフェイン含有量なので、3~5杯/回が限度です。

また、カフェインの血中半減期は4~6時間で、短時間にコーヒーやエナジードリンクをがぶ飲みするのはよくありません。よく注意してください。

特に、最近出ているエナジードリンクには1本で120~140mgのカフェインを含有しているものが発売されています。これを2本飲むともう飲みすぎですが、これはあまり意識されていないので、特に気を付けましょう。

 

・禁煙アプリで節約できたお金や健康に良い効果を計測する

近年では、様々な禁煙アプリがあります。中には「これだけお金が節約できました」「これだけ髪の毛を守れました」「これだけ健康寿命が延びました」とカウントしてくれるアプリがあります。

ダウンロードして、今こうしてタバコを我慢している間にも着々と体やお財布に良い効果が起こっているんだ、ということを喜びとして実感しながら禁煙すると、充実感があります。

 

・現在禁煙してどんな身体的メリットが発生しているか確認する

これからどんどん体が健康になり、今までに失ったものを取り戻せるような気がして、「なんのためにやめてるんだろ」という虚無感に襲われたときに、継続する手助けをしてくれます。

 

②失敗した禁煙方法

・禁煙パイポ・ニコチンの入っていないリキッドタイプの電子タバコ

これは、前述した『口に咥える習慣』をなくすことが大切なのに、いつまでもそこから抜け出せないので、結局咥えるものをタバコにシフトしてしまいやすくなります。

私は禁煙を決意する前に、止めてみようとこの方法を試しましたが、結局ニコチン入りのリキッドに手を出したり、タバコに戻ってしまったりで失敗しました。

 

・ニコチンパッチ・ニコチンガム

これは、ニコチン依存が変わらないので、いつまでも苦しいだけです。脳がタバコを欲するのは、「習慣」と「ニコチン」に対する2重依存なので、片方だけでは文字通り片手落ちです。

「習慣」と「ニコチン」の両方を同時に断ち、脳に「もうニコチンには頼れない」と信じ込ませる必要があります。そうしないと、なかなかnACh受容体が減らず、脳の報酬系回路が変わってくれないので、長く苦しむことになります。

 

いかがでしょうか。

あくまで私が試し成功した・失敗した方法なので、もしかして読んでくださったあなたには合わないかもしれません。しかし、確実に止めて今解放されている私の実体験なので、決してウソではありません。

毎朝タバコでえづいたり、階段を上るたびに息が切れたり、臭くないか気にしながら会議室に戻ったり、デート中にイライラしたり…。

そんな毎日にさよならするチャンスは、すぐ目の前にあります。

 

では、また!