【社会福祉士】相談援助展開の8つのステップ

相談援助の展開過程は、8過程である。

ニーズキャッチ、インテーク、アセスメント、プランニング、インターベンション、モニタリング、エヴァリュエーション、ターミネーション、である。

①ニーズキャッチ

ニーズキャッチは、アウトリーチ等により利用者の顕在・潜在ニーズ両方を発掘する行動である。

現代では生活問題が複雑化・多層化しており、SOSを出せない、窓口に行くことができない人が増えている。支援の入り口を創るためには、待ちの支援では予防的介入・早期介入が難しい。一見すると目に見えにくい問題を想像して、引きこもりや路上生活者や高齢者や若者に自ら出会いに行き声をかけることで、支援が届けることができない人たちに出会う努力をしなくてはならない。

②インテーク

インテークは、面接であり、相談援助の最初の手段として行われることである。

実務者によるとまずは「今日ご飯食べた?おなか空いてない?」と開始されることが多いという。留意点として、相談者はアウトリーチしたときには限界状態で、何日も食事を取っていなかったり寝ていなかったりして、正確に話ができない状況である点を念頭におくべきである。本人、家族、環境、地域、社会資源、社会参加などの状況を幅広く入手し、マッピング技法などを用いて情報を視覚化する。そのうえで解決すべきニーズや希望を明らかにし、その目的に応じた具体的な支援の目標を設定する方向に検討の方向性を向けていく。この場合特に注意するべきは、本人が主訴として訴えている問題や要望がニーズとは限らないという点である。本当に解決したい問題なのは何なのか?突き詰めて考え明らかにする必要がある。

③プランニング

プランニングは、支援計画立案である。短期・中期・長期の目標設定をし、目標ごとに具体的な支援内容と方法をブレークダウンして設定する。

期間や頻度を数値化し、クライエントと共有して設定する。あくまでもクライエントが自己実現を可能にするために自ら自発的に達成したい目標に対して、我々ソーシャルワーカーはエンパワメントの考え方で寄り添うのであり、クライエントが寄りかかって生きていくような状況を創ってはならない。また、クライエントに対してのリスペクトを忘れ、専門家としての自負に目を眩まされ手段を強硬的に推し進めてしまうような事もあってはならない。あくまで本人が人生をより良く生きるためのサポートであると肝に銘じるべきである。

④インターベンション

インターベンションは、実際の支援開始・介入をさす。

介入には、直接的介入と間接的介入とがあり、直接的介入はクライエントに、間接的介入は、クライエント以外の環境や社会資源への働きかけである。個人情報の取り扱いには十分に注意を払い、守秘義務を遵守する。それを前提として、さまざまな多職種・異業種のメンバーに働きかけ、柔軟に不屈の精神で問題の介入に取り組んでいく。1件1件の事例のみのミクロにとらわれず、マクロへのインターベンションも忘れてはならない。地方行政や地元政治家に地域福祉の問題解決の提案や訴えを行い社会の変革へのアウトリーチを断続的に行っていくなど、資源が無いなら創るといった抜本的な改革も視野に入れてソーシャルワーカーは声をあげていくべきだと考えられている。

⑤モニタリング

モニタリングは、支援経過の観察である。

プランニングで設定した目標と照らし合わせて現在の支援状況、満足度や充足度、新たな課題やニーズなどを再検討し、必要に応じて再アセスメント、つまりもう一度プランニングを修正加筆していく。

⑥エヴァリュエーション

エヴァリュエーションは、支援の事後評価である。支援目標に対して達成できたか、できなかったか、どの程度達成できたか、インターベンションが適切だったか、支援前と支援後ではクライエントと周辺環境とで何が変化したのか、振り返り評価する。

⑦ターミネーション

ターミネーションは、支援の終結と効果測定である。

つまりクライエントへの支援を終える、ということであり、クライエントが不安を抱かないように段階的に行う必要があること、再利用について受け入れ準備があることや、再度相談する場合に抵抗がないよう配慮して窓口情報を提供すること、の2点に特に留意すべきである。問題が解決された、あるいはもうクライエントが問題は残るものの水から対応できる、という状況がクライエントと援助者双方で共通認識が持てている場合、終結となる。

ソーシャルワーカーとしてひとつのケースが終結した場合、ケースを振り返り客観的に評価して、援助者としての支援の質の向上に継続的に取り組むことで、同室の問題を抱えたクライエントを支援をする場合によりベターな支援はなんだったのか、今までよりもさらに妥当性や適切さをもって支援活動できる基盤となる。また、客観的な効果判定はクライエントや社会忍耐する説明責任を果たす上で非常に重要である。

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