【メンタル】知ってるつもりでよく知らない「ホルモン」のトリセツ②(グレリン・インクレチン・副腎ホルモン)

こんにちは、ちあき です。

思えばアルコール依存症になり、周囲から「不良品」として憐憫の目で見られているような気になり始めてから、私は自分を守るために、いろいろな医学的知識を学び、自分をカスタマイズしたいと思ってきたようです。

だから製薬会社に転職してから学ぶ医学薬学知識に興味は尽きなかったし、一生懸命学べたのでしょう。

それが少しでも何か役に立てばいいな。

そしてこれからは、対人における認知の歪みの観点から、己の内面にアプローチしていく必要がありそうです。

自分の虚栄心を満たすようなチンケな使い方ではなく、もっと優しい使い方をされていけばいいな、と思います。

はい、永い独り言でした。笑

 

前回の【メンタル】知ってるつもりでよく知らない「ホルモン」のトリセツ①(ホルモンと神経伝達物質の違い)の続きです。

今日は、若々しくなれるホルモン「グレリン」と、食べ過ぎを防ぐホルモン「インクレチン」と、ストレス対抗ホルモン「副腎ホルモン」を紹介します。そして、ホルモンを役立てるために日常でできる事を解説していきます。

 

グレリン…若々しくなれるホルモン

分泌される部位:胃

働く場所:脳

老化とは細胞の機能が衰える事ですが、そのカギを握っているのが、細胞内でエネルギーを生み出しているミトコンドリアです。食欲を増強するホルモンのグレリンには、ミトコンドリアを元気にして増やす働きがあることが分かっています。ミトコンドリアを元気にすることは老化を防ぐポイントです。

グレリンが分泌されるのは、胃が空腹の状態だということが確認されています。少し前に南雲Drの1日1食ダイエットが話題になりましたが、これはあえて空腹になる→お腹がぐーっとなる→グレリン分泌→ミトコンドリア活性化・増加→全身の細胞が元気になりアンチエイジング、みたいなことをしているんだなーと思ってみていました。

心不全の患者さんの心臓リハビリテーションにおいても、細胞(厳密にはミトコンドリア)のオートファジーが誘導され自浄作用を発揮するため、細胞のクオリティを上げ品質管理ができる可能性があるということが、特に基礎研究を熱心に行ってきた循環器内科医の間で語られています。つまり、トレーニングをするとミトコンドリアがリニューアルされて若々しくなれる、ということですね。

 

☆日常生活でできる事
=常に何かを口にしているような生活を改め、できるだけ決まった時間に、空腹になってから食事をとるようにしましょう。お腹がグーっと鳴ったら「あ、グレリンが出て若返ってるな」とプラスにとるようにしましょう。

 

 

インクレチン…食べ過ぎを防ぐホルモン

分泌される部位:腸

働く場所:脳・胃・膵臓

栄養素の摂取により消化管から分泌されインスリン分泌を促進する消化管ホルモンは、総称して「インクレチン(incretin)」とよばれています。

主なインクレチンとしてGIP(gastric inhibitory polypeptide) と GLP-1(glucagon-like peptide-1)が存在します。

GLP-1とGIPとはいずれも血糖値依存的に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進します。

インスリンとは、食事により摂取した血中の糖分を取り込ませることによって、血糖値を下げる重要な役割を持つ、膵臓から出るホルモンです。

なので、インスリンが出ると、血液の中から糖を減らすために、どんどん筋肉や脂肪に糖分を取り込んでということです。生活習慣病として有名な2型糖尿病は、どんどん食べた糖分がインスリンで最初は筋肉や脂肪の中に取り込まれていくのですが、肥満になるとインスリンが効きにくくなってしまいます。効きにくくなるので膵臓はがんばってインスリンを出そうとします。しかしどんなに出しても効かないので、もうバテて諦めてしまいます。そうなると、インスリンが自分では分泌できなくなり、血液の中の糖はいつまでも血液の中を漂います。こうして血中の糖の濃度が高まった状態が、「2型糖尿病」で、神経が障害されて足が壊死したり、網膜が障害されて目が見えなくなったり、腎臓が障害されて人工透析になったりします。とても重症化した時の合併症がきっつい病気です。気を付けましょう。

GLP-1は胃の内容物排出速度を遅らせ、満腹感を助長することで食欲を抑制したり、食後の急峻な血糖上昇を抑制したりする作用があります。

一方GIPは脂肪細胞にそのGIP受容体が存在し、脂肪細胞への糖の取り込みを促進することで肥満を助長させます。

先ほどのグレリンが分泌された後、インクレチンが分泌される協調作用があるので、グレリンの分泌をよくすることも大事ですね。

☆日常生活でできる事
=グレリンの分泌をよくするために、空腹になってから食べましょう。そして腸内環境を整えましょう。インクレチンの分泌部位である腸の健康をが重要です。乳酸菌や発酵食品を積極的に摂取しましょう。腸内細菌のバランスを整えることでインクレチンを正常に分泌させて適量で食事を終えられる手助けを得られるようにしましょう。

 

副腎ホルモン(髄質・皮質)…ストレスに対抗する諸刃の剣

分泌される部位:副腎

働く場所:全身

副腎には皮質と髄質があり、それぞれ分泌するホルモンが異なります。

副腎(皮質):コルチゾール、アルドステロン

副腎(髄質):アドレナリン、ノルアドレナリン

様々な体の環境を動ける状態に整えてストレスに対抗するホルモンですが、これがずっと出続けると逆効果になる諸刃の剣です。
アドレナリンとノルアドレナリンは、ストレスに対処するために、「闘争 逃走 モード」にするホルモン。
逃げたり戦ったり体が最大限の働きをするように、心拍数を上げ、血圧を上昇させ、血を行き渡りやすくします。動くための酸素を体に届けられるようにするために。
そして、血管を収縮させます。攻撃により外傷を負っても血が出過ぎないように。
ストレスを感じた時に、どういう反応が体内で起こっているかというと、以下の図のようなフローになります。
体を稼働させるためのエネルギーの「糖」を血液に流し込みたいので、肝臓に指令を出し作らせたり、体のありとあらゆるところからエネルギー源を絞り出して血液に流します。
つまり、ストレスを感じ続けるということは、「交感神経優位になりっぱなし」+「アドレナリン ノルアドレナリン出っ放し」=「血圧が上がる!血糖値上がる!胸は高鳴る!やる気が出る!休まない!」が、ずっと維持され続けようとするわけです。
そんなのずっと続くわけがなく、いつか体も腎臓も疲れ切りますよね。

ストレスが過剰になり、これらのホルモンが大量に分泌されると、分泌する副腎はとっても疲れて疲労困憊状態になります。

副腎が疲れうまくホルモンを調節できなくなると、上記のような症状に見舞われます。
・やる気出ない
・血圧乱高下 朝起きられない 気分変わりやすい
・血糖乱高下 食べたあとめちゃ眠い
・免疫力低下
・うまく眠れない
☆日常生活でできる事
=たばこ・カフェイン・寝不足は副腎に負荷をかける要因になるので、適度が一番。できれば控えましょう。深呼吸・腹式呼吸・瞑想は副交感神経優位に体のバランスを意図的に傾ける作用があります。生活の中に無理なく取り入れ定期的に呼吸を整えられるといいですね。
今日は疲れたので、2つ。
あと5つあります。

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