結論を先に書く。
無痛分娩がいい。選べるならそっちにした方がいい。
それをこれから書いていく。
自然分娩と無痛分娩、比較してみた
こんな感じ。
無痛分娩はその名の通り、痛みが圧倒的に弱い。そして苦しい時間は短時間で済む。
分娩室にいた時間をみてもらうとわかると思うけど、相当違う。子宮口が全開になる直前までベッドでリラックスできるのはとっても貴重。分娩台は大体硬くて寝心地がそんなに良くないので、ずっと陣痛に耐えながら硬い場所にきつい体勢で寝かせられるのは地味だけどめちゃくちゃしんどい。
自然分娩の第一子は、前駆陣痛で3日寝れないまま本陣痛を迎え睡眠不足と痛みでヘロヘロになりながら産んだ。精も根も尽き果て、最後の方の会陰切開(会陰を麻酔せずはさみで2〜3センチ切る)ではジョキンという音は聞こえたが全く痛みを感じないほど痛覚は限界を超えていた。
一方の無痛分娩では、前日もちゃんと眠れて、睡眠不足には悩まされなかった。付き添うパートナーもお尻を押したり一緒に寝ずにマッサージしたりしなくても良い。
自然分娩は無痛分娩より安いのが良いところ。
記事を公開したところ、さっそく感想で「+2万はかなり良心的。+15万のところもあるよ」ご意見をいただいた。産院によりかなり料金設定にひらきがあるようで、私たちがお世話になった産院はかなり良心的だったのかも。
相場としては、+10万前後。割とするなー、という印象。
少しでも費用負担を抑えたいなら、自然分娩かな。
正直これだけ負担が減らせるなら、私は10万払う価値があると思う。
私たちとしては、次回があれば、迷わず無痛分娩を選択したいと思うほど違った。
無痛分娩の流れ
そんな無痛分娩。
ここからは、第二子の無痛分娩の流れを時系列で振り返ってみた。
⭐︎はワンポイントアドバイス。
出産前日(8月31日)
15:00 内診
夜20:15から入院が決定。
もう産まれてもいい大きさになっていること、子宮口が1センチ開いてきていることを確認したため決定した模様。
9月15日が予定日だったので焦る。
⭐︎無痛分娩の場合、入院準備は早めにしておいた方がいいよ!
20:25 入院・入院の説明など
21:00 前処置開始
麻酔を投与するための管を留置する前処置。
背中に管を入れる。前処置が一番痛いらしいと助産師さんから聞いてビビるが、少し痛かったくらいで特に違和感もなし。
そのまま22時就寝。
出産日(9月1日)
6:00 起床
起きて速攻座薬を入れる。座薬が一番きつい(笑)。
座薬を入れて3回トイレに行き、お腹空っぽになる。
腹が減ってひもじい。
8:00 朝食
待望の朝食タイムで軽く絶望する。
⭐︎どうしても我慢できない空腹を想定して、必ずゼリー飲料などの流動食やカロリーメイトなどの軽食を持っていっておこう!
8:15 内診
意図的に破水させる処置。お腹少しちっちゃくなる。
良い感じに張りが進んでいて「早ければお昼頃に出産かな」と言われる。
陣痛促進剤を投与。
9:00 アロマセラピストさんのマッサージ
足をマッサージしてもらう。めちゃ気持ち良い。
9:30ごろに陣痛促進剤が効いてきているのか、お腹の張りが徐々に強くなる。
10:00 麻酔処置開始
痛みが強くなってきた感じがするので、麻酔を入れてもらう。
子宮口の開きは、5cmぐらい。
1回入れると1時間程度鎮痛効果が持続すると説明を受ける。
実際、10:20には全然痛くなくなった。
処置されて待機している間は病室。
こんな感じ。腕についているのは促進剤投与のための点滴。↓
陣痛始まりまっせ、くらいの痛みぐらいまでしか味わわないままなので「このまま本当に産まれるのかな?」と少し不安になる。そのくらい痛みがない。
12:00 停滞
子宮口をちょいちょい確認してもらうも、5cmから開かないで停滞中。
2時間経っても麻酔はまだ効いていて、痛くない。
13:00 麻酔追加
3時間経つと少しずつ痛みが戻ってきたので、麻酔追加。
「だいぶ下がってきているからあと少しだね」と言われる。
「お尻押される感じがしたら、全開に近づいているから教えてね」と言われる。
痛くないし、お尻の感じもよくわからないが、とにかく腹が減っている。
お昼ご飯も来なかったので、出産後に食べたい食べ物のことばかり考えるようになる。
15:23 子宮口全開
全く痛くなく、お尻を押される感じも全然わからないまま「来ねーなぁ」と病室でボケーっとしていた。
回診に来た先生に「え?!もう全開になってるよ!!頭出てるよ!!」と言われ、分娩室へ緊急搬送される。
15:48 出産
分娩台に上がって15分くらいで産まれる。
分娩室にいたのは25分。
いきなり頭を出した状態で妊婦が運ばれてきたので、準備していなかったスタッフたち、テンパる。10分で準備してくれる。
「もうちょっとだけど、麻酔どうする?追加で打つ?」
と聞く助産師さん。
「このままいけます!余裕っす(`・∀・´)」
とイキって追加投与を断った結果、後陣痛で結構な痛みを味わう。出産後、痛みと空腹からか嘔吐する。
⭐︎「イケるかも」と思っても、痛いのが嫌な人は麻酔をしっかり追加しよう!(多少痛い方がいきみやすいらしいので、初産の人は多少痛みを感じられた方が逆に良いかもしれない‥。)
18:00 念願のご飯
やっと食べられたけど、吐く。しょげて薬を飲み横になる。
⭐︎一般的に術後悪心嘔吐には、オンダンセトロンやグラニセトロンなどの制吐剤が有効で、2021年9月から保険適用にもなったので、覚えておこう!
19:00 回復
麻酔で麻痺していただけで、思いのほか疲れていたのか、横になっていたら落ち着いてくる。
出産翌日以降
ご飯を食べたりおやつを食べたりたまにアロママッサージしてもらったりしながら、優雅に過ごす。
新生児のお世話。おっぱいをあげたりオムツを替えたりする。
自然分娩の時のような疲労感が残っていないので、あまり新生児の世話がキツくないように感じる。
そして検査等特に問題なかったので、退院。
まとめ:無痛分娩で産院を選ぶポイント
今回の経験から、産院を決める場合に確認しておきたいポイントを3つにまとめる。
①助産師さんが子宮口を確認できるかどうか
第一子の産院では、助産師さんのスキル不足で子宮口の開き具合をドクターしか確認できなかった。そして分娩室に放置して全然様子を見にも来なかった。
今回の第二子の産院は、助産師さんが子宮口の確認から新生児の取り上げまで行えるスキルがあった。定期的に様子を見にきてくれて、ちゃんと適切な処置ができた。
この違いは、大きい。
結局子宮口が開いていないことには出産できないので、自然分娩でも無痛分娩でもこの開き具合の確認はこまめに行わなくてはならないが、助産師さんが確認できないと、必然的にドクターしか判断できない。ドクターは忙しいのでそんなに頻繁に確認はできない。結果として、苦しむ時間が無駄に長くなる恐れがある。
第一子の出産時、強い陣痛が来てもうそろそろなのでは?と訴えても「子宮口が開いたら産まれますから」と壊れたレコードのように繰り返すばかり。自分では子宮口が開いているか確認できないくせにのらりくらりとしている助産師に対して、業を煮やした付き添いの夫がブチギレた。
「君に確認する能力がないのはもうわかった。君に出来ないのなら確認できる人間を連れてこい。そして速やかに確認しろ。妊婦である当事者がその必要があると言っているのに、必要があるかどうか判断出来ない君と話しても仕方がない。判断できる人を連れてこい。」と強くいうと、渋々呼びにいった。
医師にみてもらったところすでに全開だった。ぶっ殺してやろうかと思った。
②医師が日本産科麻酔学会に所属しているかどうか
無痛分娩のかなめは麻酔である。
麻酔に詳しくない医師の場合、何が起こるかというと、夜出産になったときに自分で麻酔ができない。なので、非常勤で外部から麻酔医を呼んで処置するのだが、夜に連携先の麻酔医を外注することは、基本的にできないと考えた方が良い。
つまり、無痛分娩を謳っていても、夜間の陣痛には対応できない産院が存在する、ということだ。
無痛分娩は基本的に計画的に生むので、前日の夜に入院して当日昼に生まれるように前処置をするし陣痛促進剤を投与するが、もし予定がずれ込んだ場合、麻酔処置に対応できないスタッフ編成の産院の場合、無痛分娩を諦めなくてはならなくなる。
なので、医師が「日本産科麻酔学会」に所属している医師かどうか、をよくみて決めてほしい。
この学会に所属している医師は、基本的に無痛分娩や帝王切開に必要な麻酔の情報をしっかり知っていて、対処方法を学んでいるし、スタッフ教育も熟練していると考えて良い。信頼できる一つの指標である。
③アロマセラピストがいるかどうか
入院中、地味に助かったのが、アロマセラピストの存在。
アロマを使った足のマッサージを術前術後にしてくれるし、出産時に立ち会ってくれるところもある。
安眠できるように好みのアロマを就寝時にセットしてくれるので、入院中とてもリラックスして過ごせる。
マストではないが、とても重要なポイントだった。
以上、参考になれば幸いです。