【依存症】HSP と アルコール依存症

こんにちは、 ちあき です。
今日は、繊細な性質を示すHSPとアルコール依存の関連について以前自分なりにまとめたものを記事にしてみたいと思います。

■HSPとは?

HSPとは The Highly Sensitive Person の略語。
非常にセンシティブな人を差します。
障害ではなく、生まれつきの気質であり、全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い、ささいな刺激を察知するなどの特徴があります。
HSPは「気質」なので、
むしろ「特長」「長所」です。
ただ疲れやすいのでうまく休む必要がある人なのです。
HSPは、体や脳の内側からの情報を敏感にキャッチし、過剰に反応して、神経やホルモンを必要以上に活動させます。
特に過活動になるのは、前帯状皮質です。別名を、帯状回前部、前部帯状回 とも言います。
理性と感情の中継地であり、自律神経や痛みの中継地でもある部位で、脳のこの「前帯状皮質」で人は「疲れ」を認識します。
HSPは、人間関係の機微や感覚に対してオーバーロード(過負荷)を起こしやすくなってしまい、慢性のストレスを抱えた状態に陥ると、前帯状皮質の活性は低下してしまいます。
活性が低下すると、疲労感・無気力感が発生し、最終的に、自律神経に乱れが生じて、痛みを感じやすい慢性疲労状態になります。

■「前帯状皮質」とアルコールのHSP特有の関連性

これがアルコール依存症とどう関係するのか?
HSPで疲弊しやすい前帯状皮質を「抑制」したい脳にとって、アルコールはうってつけの「抑制」を与えてくれる化学物質だという因果関係がありました。
アルコールは、抑制系作用の薬物です。
特にGABA受容体に働き、「鎮静」させることで、気持ちがほぐれたように安心感を感じます。
アルコールがGABAの働きをするので、繰り返しアルコールが入ってきてGABAの代わりをしてくれる、と脳が理解すると「GABAは必要ない」と脳の総本部が考えて調整し、バランスを保とうとします。
結果的に腹側被蓋野でのGABAが減少します。その結果、ドーパミンが増加して楽しさや満足感を感じます。
ひとは、一般的にお酒を飲むと、腹側被蓋野を「抑制」していたGABAが無くなり、その先に神経が繋がっている、所謂『部下』的な立ち位置の前頭前野の「抑制」も上手くいかなくなり、酩酊時は理性的な行動ができなくなります。
したがって、HSPの人は、過剰に前帯状皮質が機能してしまい慢性疲労状態に陥るため、特に前帯状皮質の活動をアルコールによって「抑制」したい、「抑制」により慢性疲労状態を解消したい、という欲求に駆られやすいと考えられます。
繰り返しアルコールを摂取することにより、前帯状皮質が「抑制」される経験が積まれ、学習した脳が、脳内報酬系の回路を作り、「これは脳を休めるのに良い方法だ」と記憶します。
この記憶を再現すべく、飲酒を繰り返します。
繰り返し飲酒することにより、アルコールの作用に対して耐性を得てしまい、量が増えコントロール不能になります。
量が尋常でないほど増えても、獲得された耐性により十分だと感じるほど作用しなくなります。
いくら飲んでも満足できなくなり、胃や胆肝膵が痛むまで摂取する「連続飲酒」に陥入るというわけです。
吐きながらも飲み、ご飯も食べられなくなり、内臓疾患の急変で救急搬送されて入院になります。
だから、そこまで行かなくちゃ、(底つき)まで経験しなくちゃ誰にも何にでも、容易に止められないのです。
無意識に「脳の疲れを癒したい」と酒に口をつけたところから酒に頼り切ってしまうと、酒は、疲れを癒すどころか、全てを破壊し尽くし身体や心を蝕む魔物になります。
では、また!


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